ツルデンダ(蔓連朶)

polystichum craspedosorum


ツルデンダ

  • 科名・属名 : オシダ科 イノデ属

  • 特徴 :
     草丈10〜30cmの常緑性シダ。
     根茎は小さくて短く、直立〜斜上し、葉を叢生する。
     葉身は線状披針形で単羽状複生、長さ12〜20cm、幅2〜3.5cm。中軸には披針形〜線形で黄褐色〜褐色、辺縁に毛のある鱗片をやや密につける。先端は長く伸びて無性芽をつける。羽片は20〜35対つき、卵状長楕円形で鈍頭、基部は前側で切形、後側でくさび形、長さ1〜3cm、幅2〜5mm。質は紙質、辺縁には浅い鋸歯がある。葉裏には線形の鱗片がある。葉柄は長さ1〜10cm、茶色で披針形、長さ2〜4mmの鱗片をやや密につける。
     胞子嚢群は辺縁よりに1列に並び、包膜は円形、径は大きい物では2mmを超え、膜質で宿存性。

  • 分布・生育地 :
     北海道〜九州(最南部を除く) (国外:朝鮮、中国、ロシア東部)
     山林内の湿った岩上や斜面

  • 撮影月日・場所 :
     2007年4月8日  千葉県清澄山
     (上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中・胞子嚢群 2014年8月8日  東京都奥多摩1
     左下・無性芽    同  上
     右下・葉柄鱗片 2018年5月28日  東京都奥多摩2

  • 撮影記 :
     デンダ(連朶)とはシダの古名の一つのようで、岩場につき単羽状複生のシダには○○デンダと呼ばれるものが多い。
     ただ、○○デンダと呼ばれるシダは比較的分布が限られ珍しいものも多いが、このシダは北海道〜九州まで広く分布する。
     コケの生えるような湿った岩壁に生えるが、左下の写真のように先端に無性芽をつけて増えるので、群生していることが多い。

  • 基部鱗片

    その他のシダ
胞子嚢群

無性芽