ツルデンダ(蔓連朶)

polystichum craspedosorum


ツルデンダ1


  • 科名・属名 : オシダ科 イノデ属

  • 特徴 :
     草丈15〜35cmの常緑性(寒冷地では夏緑性)シダ。
     根茎は小さくて短く、直立〜斜上し、葉を叢生する。
     葉は1回羽状複生、葉身は長楕円状披針駅唐線状披針形、長さ(11-)15〜23(-32)cm、幅(2.1)2.4〜2.9(-3.4)cm。葉軸の先端は長く伸びて無性芽をつける。側羽片は(18-)22〜28(-35)対つき、長楕円状〜卵状長楕円形で鈍頭、基部上側に耳片が発達し、長さ0.7〜0.8cm、(最大で0.9-)1.1〜1.4(-1.9)cm)、幅0.4〜0.5cm、(最大で(0.4-)0.5〜0.7(-1)cm。先は鈍頭で辺縁には浅い鋸歯がある。質は草質で黄緑色(光沢はない)、葉軸背軸側にやや密に鱗片があり、葉裏にも鱗片がある。
     葉柄は淡緑色、長さ(2-)2.5〜4.1(-5.6)cm。鱗片は全体にやや密にあり、三角状披針形で褐色、長さ(3.8-)4.3〜5.2(-5.8)mm、縁には疎らな毛状突起縁がある。
     胞子嚢群はほぼ全体につき、羽片上側の辺縁寄りに1列に並び、径(1.4-)1.5〜1.7(-1.9)mm、包膜は円形で楯状につき、淡褐色で波状縁。

  • 分布・生育地 :
     北海道〜九州(最南部を除く) (国外:朝鮮、中国、ロシア東部)
     山林内の湿った岩上や斜面

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2007年4月8日  千葉県清澄山
     中上・全体2 2014年8月8日  東京都奥多摩1
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中中・葉表 2018年5月28日    同  上2
     中下・胞子嚢群1 2014年8月8日    同  上1
     左下・胞子嚢群2 2015年4月28日    同  上3
     右上・無性芽 2014年8月8日    同  上1
     右下・葉柄鱗片 2018年5月28日    同  上2

  • 撮影記 :
     デンダ(連朶)とはシダの古名の一つのようで、岩場につき1回羽状複生のシダには○○デンダと呼ばれるものが多い。
     ただ、○○デンダと呼ばれるシダは比較的分布が限られ珍しいものも多いが、このシダは北海道〜九州まで広く分布する。
     コケの生えるような湿った岩壁に生えるが、左下の写真のように先端に無性芽をつけて増えるので、群生していることが多い。

  • 無性芽

    葉柄基部鱗片

    その他のシダ
ツルデンダ2

葉表

胞子嚢群1

胞子嚢群2