アカウキクサ(赤浮草)

Azolla imbricata


アカウキクサ1

  • 科名・属名 : サンショウモ科 アカウキクサ属
     注.「日本産シダ標準図鑑T」では、学名(A. pinnata subsp. asiatica)

  • 特徴 :
     浮遊性の小型の常緑性水生シダ。
     茎はやや密に水平に伸びながら分枝しやや赤味を帯び、葉と少数の根を生じる。根には長い根毛がある。
     植物体の全体形状は三角形で角がやや円みを帯び、長さ1〜1.5cm。葉は単葉で上下2裂片に分かれ、三角状楕円形で長さ(0.7-)0.9〜1.2(-1.4)mm、幅(0.9-)1.1〜1.4(-1.6)mm。先は鈍頭〜鋭頭、辺縁は半透明の膜質、茎とともに表面に著しい粒状の突起が密生する。質は薄い草質、淡緑色で冬期には紅色に変わる。
     胞子嚢群は側枝の第1葉の下側(水中)裂片につき、秋以降に成熟する。

  • 分布・生育地 :
     本州(関東地方以西)〜沖縄 (国外:朝鮮(南部)、中国、台湾、東南アジア〜インド)
     水田、池、溝などの水面上

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2009年10月10日  静岡県静岡市
     中上・全体2 2012年11月26日  沖縄県西表島
     中下・群生(一部紅変) 2018年11月3日    同  上
     (上は拡大写真あり、写真をクリック)
     左下・根毛 2018年1月16日  沖縄県国頭郡
     右下・胞子嚢果?(根の基部の白っぽいのがそれか?)    同  上

  • 撮影記 :
     水田や池、溝などの水面上に生え、冬に葉が紅く変わるのでこの和名がつけられている。
     植物体の全形は、角がやや円みを帯びた三角形で、上2枚の写真のように点在している時は可愛い姿だ。
     しかし、栄養繁殖でどんどん増えることが多く水面を広く覆うようになると(少し赤変し始めている中下の写真)、だらしない雰囲気がする。
     分布では関東地方以西であるが、東京都で1度みつかったことがあるだけで、見られるのは東海地方以西、特に南の地方である。
     よく似たオオアカウキクサがあり、こちらは根に根毛がなく、葉がやや大きく表面が平滑か小突起がわずかしかないのが違いで、関東辺りで見られるのはこっちのほうである。

  • 胞子嚢果?

    その他のシダ
アカウキクサ2

群生(一部紅変)

根毛