ツルキジノオ(蔓雉の尾)

Lomariopsis spectabilis


ツルキジノオ1

  • 科名・属名 : ツルキジノオ科 ツルキジノオ属

  • 特徴 :
     草丈何mにもなるつる性の常緑性シダ。着生。
     根茎は長く匍匐し、径(3.9-)5〜7.4(-9.4)mm、黄褐色〜茶褐色の鱗片をやや密に圧着してつける。
     葉は2形、栄養葉は単葉〜1回羽状複生、葉身は卵状広披針形、長さ(30-)36〜45(-52)cm、幅(17-)19〜29(-45)cm。側羽片は(5-)7〜10(-12)対あり、長楕円状披針形で鋭尖頭、長さ(11-)13〜18(-26)cm、幅(1.4-)2〜2.5(-3)cm。縁は全縁〜波状縁。質は胞子葉とも柔らかい革質、緑色でほぼ無毛。
     胞子葉は1回羽状複生、葉身は卵状広披針形〜卵状披針形、長さ26〜46cm、幅14〜15cm。側羽片は9〜16対、線状披針形で鋭尖頭、長さ11cm、幅0.2〜0.4cm。縁は全縁。
     葉柄は淡緑色、栄養葉で長さ17〜22cm、胞子葉で(11-)16〜28(-45)cm。葉柄基部にはやや密に黄褐色〜茶褐色の鱗片があるが、それより上では疎ら。
     胞子嚢は胞子葉の中肋を除き、裏面全体につく。

  • 分布・生育地 :
     本州(小笠原諸島)、沖縄(八重山諸島) (国外:中国(海南島)、台湾、東南アジア(ベトナム、マレーシア)
     山地の樹幹や岩上に着生

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2011年6月26日  東京都小笠原諸島
     中・全体2 2013年5月25日  沖縄県石垣島
     (上、中は拡大写真あり、写真をクリック)
     下・根茎 2011年6月26日  東京都小笠原諸島

  • 撮影記 :
     小笠原諸島の林下、太い幹に絡み付き着生しているのを見つけた。
     珍しいシダということは知っていたので大喜びしたが、胞子葉は出ていない上に暗い場所で、フィルムでの撮影では限界があった。
     その後、石垣島の暗い沢沿いで、今度は岩に着生しているのを見かけたが、ここも暗い上に胞子葉は出ていなかった。
     シダに詳しい方に聞いた所、胞子嚢をつけている時期は非常に短いとのこと、いつか胞子嚢を一杯つけた株を撮影したいものだ。

  • その他のシダ
ツルキジノオ2

根茎