|
- 科名・属名 : チャセンシダ科 ホウビシダ属
- 特徴 :
草丈5〜15cmの常緑性シダ。
根茎はやや長く匍匐し、背腹性があり、径(1.4-)1.5〜1.9(-2.2)mm、毛と鱗片をつける。
葉は単葉、葉身は卵形〜広卵形、長さ(3.2-)4.6〜6.8(-8.8)cm、幅(2.1-)2.5〜3.4(-4.4)cm。先は鈍頭〜鋭頭、基部は心形で葉柄に対し斜めにつき、全縁。質は厚い紙質、緑色で両面無毛。
葉柄は紫褐色、長さ(2.1-)5.4〜9.7(-14)cm。鱗片は最基部のみにつき、広披針形で茶褐色、長さ1〜2mm。葉柄基部には茶褐色の単細胞毛がある。
胞子嚢群は中肋と辺縁の中間、前側の側脈に沿って長く伸び、線形で長さ(4.8-)7.5〜12(-15)mm。包膜は線形で全縁。
- 分布・生育地 :
小笠原諸島(母島)、沖縄(北大東島) (国外:中国(海南島)、ベトナム、タイ) 森林下の湿った石灰岩上
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2006年12月2日 沖縄県北大東島 下・全体2 2011年6月28日 東京都小笠原母島 (2枚とも拡大写真あり、写真をクリック)
- 撮影記 :
沖縄大東島に島固有種の花の撮影に出かけたのは2006年のことだった。
目的の花を見つけて撮影し時間が余ったので、この島にあるという珍しいこのシダを探すことにした。
林下の石灰岩の岩壁を探すと、シダとは思えないような形をしたこのシダを見付け撮影することができた。
しかし、当時はシダには全く興味がなく、全体の姿を何カットか撮影しただけで、胞子嚢群を撮影することには気が回らなかった。
その後、シダの撮影を始めてから胞子嚢群を撮影しなかったことが悔やまれ、もう1ヶ所の自生地の小笠原母島を訪れた時に絶対に撮影しようと思っていた。
小笠原でも何とか株の撮影はできたが、観察できるコース上の株は若く、胞子嚢はまだつけていなかった。
大東島にはまだいくつか未撮影の固有種があるので、もう一度訪れて胞子嚢群の撮影を果たしたいものだ。
その他のシダ
|