ヒノキシダ(檜羊歯)

Asplenium prolongatum


ヒノキシダ

  • 科名・属名

  •  チャセンシダ科 チャセンシダ属

  • 特徴

  •  草丈15〜30cmの常緑性シダ。
     根茎は短く、斜上〜直立し、葉を叢生する。鱗片は暗褐色で披針形、長さ4〜6mm、幅1mm以下、辺縁には突起があって不斉。
     葉身は2回羽状複葉で、狭楕円形〜披針形、長さ10〜20cm、幅2〜3cm。中軸は葉先より2〜6cm伸びて先端に芽ができる。羽片は10〜15対あり、斜上、全裂して、単生かさらに2〜3個の裂片となる。裂片は線形、幅より広い間隔をおいてつき、幅1.5mm、鈍頭で全縁。葉柄は長さ5〜10cm、緑色。
     胞子嚢群は裂片に1個つき、線形で長さ2〜5mm、宿存性の包膜がある。

  • 分布・生育地

  •  本州(静岡県、紀伊半島)、四国南部、九州
     山林内の岩上

  • 撮影月日・場所

  •  2008年12月29日 静岡県浜松市
     下・胞子嚢群    同 上

  • 撮影記

  •  帰省で田舎に帰った時、近くに住む生物部の先輩とシダの観察に出かけた。
     暖かい静岡県でも真冬の山間部は寒い、暖房の利いた車から降りると寒さが身に堪える。
     やや急な沢沿いの林下を降りると、岩場に青っぽいこのシダが群生していた。
     幾何学的な直線の葉は、まるで着物の柄か何かのように格好良く、一目で好きになった。
     その後伊豆半島でも見かけたので比較的多いシダかと思ったが、分布は一部の地域に限られていることを知って驚いた。

    その他のシダ
胞子嚢群