ホウビシダ(鳳尾羊歯)

Hymenasplenium hondoense


ホウビシダ

  • 科名・属名
  • : チャセンシダ科 ホウビシダ属

  • 特徴

  •  草丈20〜50cmの常緑性シダ。
     根茎は長く横走し、径2〜3mmで、腹側に根を、背側に約1cmの間隔で2列に並んだ葉をつける。鱗片は披針形で暗褐色〜黒色、長さ約4mm、先端は毛状になる。
     葉身は単羽状、披針形〜長楕円状披針形で、長さ10〜20(〜35)cm、幅4(〜9)cm。基部は狭くならず、先端近くまで両側がほぼ平行する。羽片は15〜20対、円みのある四辺形で、長さ約3cm、幅約1cm。基部は前側が切形かやや耳形、後側は基部側が半分くらい欠落し、辺縁は1/5程度の深さまで切れ込み、円頭から鈍頭の裂片となる。下部数対の羽片は短い柄がある。質は草質で薄く、淡緑色。葉柄は長さ10〜25cm、赤褐色〜紫褐色で光沢があり、基部に鱗片がある。
     胞子嚢群は羽片の中肋近くにつき、長さ4〜6mm、辺縁からは少なくとも2mm以上は離れる。

  • 分布・生育地

  •  本州(石川、千葉県以西)〜九州
     山林の渓流近くの湿った岩上

  • 撮影月日・場所

  •  2010年1月3日  静岡県周智郡
     下・胞子嚢群    同  上

  • 撮影記

  •  正月に何もない山間部の沢沿いに来るような暇人はまずいない。
     そのうえ、急な斜面を上り下りしてシダを探すなどは、物好きというよりキ印と言われても仕方がない。
     里帰りし、花好きの先輩と訪れたその沢沿いはシダの宝庫で、撮影していると正月ということをすっかり忘れてしまった。

    その他のシダ
胞子嚢群