コタニワタリ(小谷渡)

Asplenium scolopendrium


コタニワタリ1

  • 科名・属名

  •  チャセンシダ科 チャセンシダ属

  • 特徴

  •  草丈15〜60cmの常緑性シダ。
     根茎は短く斜上し、葉を叢生する。
     葉身は単葉で披針形、長さ12〜50cm、幅3〜6cm。先は鋭頭〜鋭尖頭、基部は心形で両側に耳片があり、縁は全縁、やや波状でにかわ質の薄膜がある。質はやや多肉質で下面には鱗片がある。葉柄は褐色〜暗褐色、長さ3〜12cm、披針形で淡褐色の鱗片が密にある。
     胞子嚢群は隣り合って並ぶ葉脈上に向かい合ってつき、線形で長さ4〜18mm、中肋に直角に近い広い角度でつく。包膜も胞子嚢群と向かい合って開く。

  • 分布・生育地

  •  北海道〜九州(やや日本海側)
     山地のやや湿った林下

  • 撮影月日・場所

  •  2005年5月21日  滋賀県伊吹山
     中 2005年9月23日  長野県佐久市
     下・胞子嚢群 2009年3月21日  新潟県新潟市

  • 撮影記

  •  日本の南部に分布するオオタニワタリに似ているが、大きいものでも長さ60cm程度と、1m近くなるオオタニワタリニに比べ小さく幅も狭いことからこの和名がつけられている。
     分布も基本的に日本海側で、初めて出合ったのは伊吹山の石灰岩の岩場でオオタニワタリのように岩や樹に着生するものかと思ったが、その後出合ったのは林下に生えているものばかりで、普通は地上性であることを知った。
     葉が叢生するシダは多いが、単葉で叢生する姿には何となく可愛らしさがある。

    その他のシダ
コタニワタリ2

胞子嚢群