クモノスシダ(蜘蛛の巣羊歯)

Asplenium ruprechtii


クモノスシダ1


  • 科名・属名 : チャセンシダ科 チャセンシダ属

  • 特徴 :
     草丈5〜15cmの常緑性シダ。
     根茎は短く、斜上〜ほぼ直立し、披針形で黒褐色の鱗片をつける。
     葉は単葉でやや2形(栄養葉は胞子葉よりやや幅が広い)、葉身は線状披針形〜狭三角形、長さ(4.3-)6.5〜10(-12)cm、幅(0.3-)0.4〜0.5(-0.6)cm。縁は全縁で少し波状になることもあり、基部は広いくさび形、先は次第に細くなってつる状になり、長さ2〜10cmで、先端近くに無性芽をつける。質は厚い草質で暗黄緑色、多細胞毛がある。
     葉柄は緑色で基部は暗赤褐色を帯び、長さ(0.4-)1.3〜2.8(-3.8)cm、狭い翼があり、葉身基部が葉柄に流れる。鱗片は最基部のみあり、披針形で暗褐色〜黒褐色、長さ(1.8-)1.9〜2.2(-2.5)mm、褐色の腺毛がやや密にある。
     胞子嚢群は中肋寄りにやや不規則に散在し、線形〜長楕円形で、長さ(1.9-)3〜4.2(-4.9)mm。

  • 分布・生育地 :
     北海道〜九州(熊本・宮崎県以北) (国外:朝鮮、中国、ロシア(極東・シベリア)
     山地の岩上(特に石灰岩上

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2006年9月30日  東京都高尾山
     中上・全体2 2013年5月17日    同  上
     中中・全体3 2018年5月28日  東京都奥多摩
     (上、中上、中中は拡大写真あり、写真をクリック)
     中下・胞子嚢群1 2013年5月17日  東京都高尾山
     下・胞子嚢群2 2018年5月28日  東京都奥多摩

  • 撮影記 :
     写真のように、葉の先端が長く伸びて芽をつけ、そこから出た葉がまた伸び、クモの巣状になることから和名がつけられている。個人的にはクモの巣のようには見えないが。
     普通は石灰岩の岩上に多く見られるが、そうでない岩上でも見られ、この写真を撮影した高尾山では、岩上だけでなく石垣の上でもついている。
     ご存知のように、東京都の高尾山はミシュランガイドで3ツ星をとった山で、山というより観光地でいつ行っても人が多い。
     そんな場所で三脚を立て撮影していると、多くの人から「何を撮影しているんですか」と聞かれるのがわずらわしい。

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クモノスシダ2

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