ナンゴクホウビシダ(南国鳳尾羊歯)

Hymenasplenium murakami-hatanakae


ナンゴクホウビシダ1

  • 科名・属名
  • : チャセンシダ科 ホウビシダ属

  • 特徴

  •  草丈20〜40cmの常緑性シダ。
     根茎は長く這い、背側に約1cmの間隔で2列に葉をつける。
     葉身は単羽状、披針形〜長楕円状披針形で、長さ10〜20(〜35)cm、幅4〜5(〜9)cm。羽片は15〜20対で鎌状になり、長さ約3.5cm、幅約1cm。先は鋭頭〜鋭尖頭で、前側は切形かやや耳形、後側は欠刻状の鋸歯縁となり、下部羽片は短い柄がある。葉柄は10〜25cm、赤褐色〜紫褐色で光沢がある。
     胞子嚢群は線形で長さ2〜3mm、羽片の辺縁寄りにつく。

  • 分布・生育、地

  •  本州(三重県、伊豆・小笠原諸島)〜沖縄
     山林内の湿った岩上

  • 撮影月日・場所

  •  2007年7月1日 鹿児島県屋久島
     中 2010年3月19日 沖縄県西表島
     下・胞子嚢群 2007年7月1日 鹿児島県屋久島

  • 撮影記

  •  谷沿いの登山道を歩いていくと、流れ込む小沢の脇、湿った岩上にこのシダが群生していた。
     羽片が鎌状になり、胞子嚢群が辺縁に近いところにつくことが本州にあるよく似たホウビシダとの違いで、裏をひっくり返してみるとはっきりその特徴が確認できた。  屋久島にはこのシダが多く、沢沿いを歩いているだけで、大群落によく出会った。
     沖縄でも似たような環境でよく見かけるが、こんな場所はハブの絶好の棲家、辺りをよく見回し、草むらを叩いてから撮影に取り掛かる。

    その他のシダ
ナンゴクホウビシダ2

胞子嚢群