チャセンシダ(茶筅羊歯)Asplenium trichomanes |
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チャセンシダ科 チャセンシダ属 草丈5〜30cmの常緑性シダ。 根茎は短く直立、塊状で葉を叢生し、披針形〜線状披針形で中央部が黒褐色、辺縁は淡色の鱗片をつける。 葉柄は葉が枯れ落ちても中軸の状態まま根茎に残る。 葉身は線形、単羽状で長さ5〜25cm、幅1.2〜2cm。羽片は20対以上あり、長楕円形で中央部の大きいもので長さ5〜12mm、幅2〜4mm。円頭で基部は深いくさび形、辺縁に浅い鋸歯がある。羽片は下部および上部に向けて次第に小さくなり、頂羽片はなく、ごく稀に中軸に無性芽をつける場合もある。葉柄は光沢のある紫褐色で長さ1〜5cm、表側に褐色で薄紙質の翼が両側に2枚ある。 胞子嚢群は長楕円形〜線形で長さ約1.5mm、それぞれの羽片に数個つく。 北海道(西南部)、本州(青森、新潟・神奈川県以西)〜九州 山麓の岩間、石垣 2008年11月15日 島根県出雲市 中・胞子嚢 2009年4月5日 兵庫県豊岡市 下・葉表・葉柄 同 上 北海道(西南部)〜九州まで広く分布している種であるが、北海道と本州(青森県)に分布するものとそれ以外の地域に分布するものでは、2倍体と4倍体の違いがあるという。 よく似たイヌチャセンシダは湿った場所に生えるが、このシダはやや乾いた石垣や岩場に垂れ下がっているで自生地の環境でも見分けられる。その他中軸表側につく翼が2個というのも3個あるイヌチャセンシダとの違いである。 和名の茶筅は、葉の落ち枯れた中軸が多数ついている状態を見立てたという説と、若芽が内向きにつく状態を指すという2つの説がある。 その他のシダ |
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