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- 科名・属名 : ウラボシ科 エゾデンダ属
- 特徴 :
冬緑性の着生シダ。
根茎は長く横走し、径4〜5mm、緑色かわずかに白っぽく、鱗片を疎らにつける。
葉身は広披針形〜卵状長楕円形で羽状深裂し、長さ15〜20cm、幅5〜10cm。裂片は15〜25対、水平に開出し、披針形〜線形、幅6〜10mm。先は鈍頭〜鋭頭、全縁。質は厚く、柔らかい草質、淡緑色で、表面には疎らに、裏面にはやや密に開出毛がある。
胞子嚢群は中肋近くにつき、円形で大きい。
- 分布・生育地 :
本州(富山県、関東地方以西)〜九州 低山地の樹幹、岩上
- 撮影月日・場所 :
2009年1月2日 静岡県浜松市 中上 群落 2013年4月7日 広島県庄原市 (中上は拡大写真あり。写真をクリック) 中下・胞子嚢群 2009年1月2日 静岡県浜松市 下・根茎 同 上
- 撮影記 :
正月休み、小学校時代からの生物部の先輩と、奥地の谷間へシダの観察に出かけた。
暖かい静岡県でも長野県の県境に近い山中は、林道の日陰に雪が残り、水溜りは凍結している。
寒さに震えながらシダを観察し、戻る途中、国道脇の岩壁にこのシダが着生していた。
青みを帯びた葉面と黄色のソーラスは、息を呑むほどに美しいシダだった。
このシダは、冬に葉をつけ夏場には枯れるという冬緑性と図鑑には記されているが、夏に葉がないというイメージは想像できなかった。
何年後かの夏、この場所を通りかかったのでどうなっているのか見てみた。
確かに葉は全くなく、アオネ(青根)の名のとおり青っぽい根茎が岩上を這っているだけで、冬のあの光景がうそのようだった。
その他のシダ
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