ヒトツバ(一つ葉)

Pyrrosia lingua


ヒトツバ1


  • 科名・属名 : ウラボシ科 ヒトツバ属

  • 特徴 :
     草丈10〜50cmの常緑性シダ。
     根茎は長く横走し、褐色で基部は黒褐色、腺状披針形の鱗片が密着してつく。
     葉は単葉でやや2形、栄養葉は卵状斑心形〜広披針形、長さ(6-)14〜20(-23)cm、幅(1.6)3.1〜4.5(-5.5)cm。先は鋭頭〜鋭尖頭、基部はくさび形〜広いくさび形、全縁。質は革質で厚く、表面は緑色でやや光沢があり、有毛で裏面には灰褐色〜淡褐色の星状毛が密生する。胞子葉はほぼ同形で、やや幅が狭い。
     葉柄は淡緑色で長さ(1.7-)8.4〜17(-26)cm、基部には褐色の鱗片を密につける。胞子葉の葉柄はやや長い。
     胞子嚢群は葉身の先端部からつき、ほぼ全面を覆う。

  • 分布・生育地 :
     本州(関東地方以西)〜沖縄 (国外:朝鮮、中国、台湾、インドシナ〜南インド)
     やや乾燥した岩上、樹幹

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2007年3月26日  鹿児島県屋久島
     中・全体2 2010年4月10日  長崎県対馬
     中下・全体3    同  上
     (上、中上、中下は拡大写真あり、写真をクリック)
     左下・胞子嚢群    同  上
     右上・葉柄基部 2024年3月31日  大分県中津市
     右下・根茎    同  上

  • 撮影記 :
     少し乾き目の岩上や樹幹の上を這い、群生しているのをよく見かける。
     上の写真は屋久島の小さな尾根上の樹幹に、中の写真は波飛沫がかかりそうな海岸近くの岩場に生えていた。
     所々に裏面全体に胞子嚢をつけた、やや細めで草丈も少し高い胞子嚢葉が混じっている。
     時々、庭石に這わせているのを見かけるが、自生の個体数は多いので、これだけで減少することはないと思われる。

  • 葉柄基部

    根茎

    その他のシダ
ヒトツバ2

ヒトツバ3

胞子嚢群