キレハオオクボシダ(切葉大久保羊歯)

Tomophyllum sakaguchianum


キレハオオクボシダ1

  • 科名・属名 :
     ウラボシ科 キレハオオクボシダ属

  • 特徴 :
     草丈4〜8cmの常緑性シダ。着生。
     根茎は短く、斜上し、葉を叢生する。
     鱗片は密につき、卵形〜長楕円形、黄褐色で長さ(0.7-)0.9〜1.9(-3.1)mm、辺縁に毛がある。  葉は1回羽状全裂、葉身は披針形で同じ株でも長さに変異があり、長さ(4.3-)5.1〜6.3(-7.1)cm、幅(0.7-)0.9〜1.1(-1.3)cm。側裂片は長楕円状広披針形〜卵状長楕円形、長さ(2-)4〜6(-8)mm、幅2〜3mm。鈍頭〜円頭、鈍鋸歯縁。質は薄い紙質、緑色で全体に毛が多い。
     葉柄は褐色〜黒褐色、長さ(0.4-)0.5〜0.7(-0.9)cmと短い。上部に狭い翼があり、全体にやや密に半透明の多細胞毛がある。鱗片は早落性。
     胞子嚢群は葉身の先端側からつき、裂片の側脈に背生し、1裂片あたり1〜数個つく。胞子嚢は、円形〜長楕円形、径(0.3-)0.5〜0.7(-0.9)mm。

  • 分布・生育地 :
     本州(関東・中部地方、紀伊半島)、九州(熊本県) (国外:日本固有)
     深山の樹幹、岩上のコケの中に着生

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2004年9月2日  埼玉県
     中・全体2、下・胞子嚢群    同  上
     (上、中は拡大写真あり、写真をクリック)

  • 撮影記 :
     まだシダ類に全く興味がなかった時、花仲間の案内で出かけた埼玉県の山奥、岩に着生していたこのシダを教えてもらった。
     谷沿いの岩場で湿度が高いのかコケが密生し、その中に小さなパッとしない小さなシダが何本か叢生し垂れ下がっていた。  「珍しいものだから」と薦められ、全体や胞子嚢群の写真を何カットか撮影した。
     その後、シダの撮影を始め、すこしずつ知識が増えてくると、このシダの貴重さがやっと理解できるようになった。

  • その他のシダ
キレハオオクボシダ2

胞子嚢群