ヤノネシダ(矢の根羊歯)

Neocheiropteris subhastata


ヤノネシダ(地上性)

  • 科名・属名
  • : ウラボシ科 クリハラン属

  • 特徴

  •  草丈10〜25cmの常緑性シダ。
     根茎は長く横に這い、針金上で太さ径2〜3mm、鱗片をやや密につける。鱗片は披針形で褐色〜暗褐色、長さ2〜4mm。
     葉身は胞子嚢のつく披針形のものから胞子嚢のつかない三角形のものまで色々あり、長さ10〜15cm、幅1.5〜5cm。先端へ向けて段々狭くなり、先は鋭尖頭、全縁または波状縁。基部は両側が耳状突起になるものも多い。葉柄は、ほとんどないものや、10cm以上なるものもある。
     胞子嚢群は狭い葉の下面全体に散在し、円形〜やや長楕円形で、径約2mm。若い時は楯状の鱗片に覆われる。

  • 分布・生育地

  •  本州(関東地方南部以西)〜九州
     山麓近くの林下の地上、岩上、時に樹幹

  • 撮影月日・場所

  •  2008年12月29日  静岡県浜松市
     中 2010年9月26日  和歌山県東牟婁郡
     下・胞子嚢群    同  上

  • 撮影記

  •  三角形の葉はシダには珍しい形で、お目にかかりたいものだと思っていた。
     しかしが、関東地方では南部にわずかに分布しているだけで、全国的にも数は多くないシダだった。
     田舎に帰省した際、天竜川の沢沿いの林下で初めて出会った。予想通りの形のシダだった。
     その後、和歌山県の川沿いで岩に這い登るこのシダを見た。
     あるシダの本に、地上性の胞子葉は葉柄の長い矢羽型で、這い登るタイプは葉柄が短いネクタイ型が多いと記されていたが、確かに葉柄は短かいものが多かった。

    その他のシダ
ヤノネシダ(岩上這い登り性)

胞子嚢群