ウラジロ(裏白)

Diplopterygium glaucum


ウラジロ群落


  • 科名・属名 : ウラジロ科 ウラジロ属

  • 特徴 :
     草丈80〜200cm(時に数m)の常緑性シダ。
     根茎は長く匍匐し、披針形で黒褐色〜茶褐色の鱗片をやや密につける。
     葉は3回羽状深裂、葉身は葉柄の上端で見かけは叉状分岐して無限成長するため不定形。側羽片第一次中軸枝)は、2回羽状深裂し、長楕円状披針形〜披針形、長さ(28-)50〜81(-107)cm、幅(16-)18〜23(-27)cm。小羽片はほぼ線形で開出し、(27-)30〜37(-41)対あり、長さ(1.8-)2.4〜5.1(7.9)cm、幅(0.7-)0.8〜1.1(-1.4)cm、幅8〜30mm、中肋と75〜85度の角度でつき、鈍頭〜円頭で全縁。質は紙質、濃黄緑色で裏面は白色を帯び、星状毛がある。
     葉柄は黄緑色〜緑色、平滑で長さ50〜100cm、太さ4〜6mm。
     胞子嚢群は中肋と辺縁の中間に1列に並び、円形で、径(0.5-)0.6〜0.7(-0.8)mm、白っぽくて星状の側糸がある。

  • 分布・生育地 :
     本州(福島、新潟県以南)〜沖縄 (国外:アジアの熱帯域)
     山地林下、林縁

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2007年12月2日  鹿児島県屋久島
     中上・全体2 2007年3月4日  埼玉県入間郡
     (上、中上拡大写真あり、写真をクリック)
     中下・胞子嚢群1 2007年6月9日  鹿児島県奄美大島
     左下・胞子嚢群2 2022年10月27日  静岡県伊豆市
     右下・葉柄基部鱗片    同  上

  • 撮影記 :
     自生している姿は見たことはなくても、正月飾りに使われているのでご存知の方は多いと思う。
     理由はウラジロ(裏白)の名の通り葉裏が白いことで、そのことが「共に白髪生えるまで」という長寿や、心に裏や偽りがないということに繋がるとされている。
     結構大きくなるシダで、大きいものでは2mくらいになるが、熱帯では数mになるものもあるという。
     実際、南西諸島では2mを越えるものも珍しくなく、上の写真のように屋久島で林縁の崖に垂れ下がっていた株は、間違いなく3m近くあった。

  • 葉柄基部鱗片

    その他のシダ
ウラジロ

胞子嚢群1

胞子嚢群2