スジヒトツバ(筋一葉)

Cheiropleuria integrifolia


スジヒトツバ1

  • 科名・属名

  •  ヤブレガサウラボシ科 スジヒトツバ属

  • 特徴

  •  草丈30〜70cmの常緑性シダ。
     根茎は短く横走し、鱗片はなく淡褐色〜白色の毛を密生する。
     葉は単葉で二形、栄養葉の葉身は広卵形で、長さ10〜20cm、幅3〜10cm。革質であまり厚くはないが硬く、先端は鋭尖頭か叉状に分岐、基部は円形、全縁。葉柄は20〜30cm。
     胞子葉の葉身は線状披針形で、長さ10〜25cm、幅1〜1.5cm。やや厚く、先端と基部に向かって次第に狭くなる。葉柄は栄養葉に比べると長く、長さ30〜50cm。胞子嚢群は主脈上を除き、背軸側(裏側)全面につく。

  • 分布・生育地

  •  本州(伊豆諸島、静岡県、紀伊半島、四国南部、九州(西・南部)、沖縄
     山地の林下の斜面や岩上、渓流沿い岩上

  • 撮影月日・場所

  •  2006年9月4日  鹿児島県屋久島
     中 2008年4月26日    同  上
     下・胞子嚢群 2007年3月18日  沖縄県西表島

  • 撮影記

  •  屋久島や南西諸島のやや乾いた林下や沢沿いの岩上などでよく見かけるシダだ。
     和名の由来はヒトツバに似て単葉で、脈が隆起することからつけられている。
     何かの本で胞子嚢がつきにくいと書かれていたのを読んだ記憶があったが、気をつけて見ると胞子葉はそこそこある。
     葉が二形で、円くて大きい栄養葉に目がいくと、細くて葉柄も長いの胞子葉は目に入りにくくなるのが理由ではないか。
     中の写真で、細い胞子葉が少し離れた上の方にあるのがわかるだろう。

    その他のシダ
スジヒトツバ2

胞子嚢群