シロヤマゼンマイ(城山薇)

Osmunda banksiifolia


シロヤマゼンマイ

  • 科名・属名
  • : ゼンマイ科 ゼンマイ属

  • 特徴

  •  草丈1〜1.8mの常緑性シダ。
     根茎は大きく、斜上または直立する。
     葉は単羽状複葉で中央より下に数対の胞子嚢をつける部分的2形。羽片は線形で長さ15〜35cm、幅1〜2cm、中軸と40〜50度の角度でつく。質は革質で、下部の羽片の辺縁は肥厚し、全縁か大きな鋸歯の波状縁、短い柄がある。
     胞子嚢をつける葉の羽片は、長さは普通の羽片の半分、幅も縮んで2〜4mmと狭い。
     胞子嚢をつける羽片は濃褐色で、胞子嚢が羽片の辺縁や裏面脈上に込み合ってつき、一斉に熟しやがて脱落する。

  • 分布・生育地

  •  本州(静岡、和歌山県)、四国(南部)、九州(中南部)、沖縄
     林内の湿った崖

  • 撮影月日・場所

  •  2007年4月29日  沖縄県西表島
     中・胞子嚢のつく葉    同  上
     下・胞子嚢 2006年10月10日   同  上

  • 撮影記

  •  初めてこのシダに気づいたのは、西表島の沢を遡行中だった。
     シダには興味がなく撮影もしていなかったが、葉の中央部分に濃褐色の羽片が数個ついた面白い形で気になって撮影した。
     後で調べると、葉の中央部分についているのは胞子嚢をつけた羽片で、部分的に2形になるというゼンマイ科のシダだった。
     その後も何度か出合ったが、いずれも沢沿いの林下の岩場や崖みたいな所が多かった。
     和名のシロヤマは鹿児島市の城山からつけられている。

    その他のシダ
胞子嚢のついた葉

胞子嚢のつく羽片