ヤマドリゼンマイ(山鳥薇)

Osmundastrum cinnamomeum var. fokiense


ヤマドリゼンマイ

  • 科名・属名 : ゼンマイ科 ヤマドリゼンマイ属

  • 特徴 :
     草丈30〜80cmの夏緑性シダ。
     根茎は短く匍匐し、葉を相接して出す。
     葉は2形で、栄養葉の葉身は卵状披針形で2回羽状深裂、長さ30〜80cm、幅15〜25cm。羽片は長さ5〜20cm、幅1.5〜3cm。先は尖り、裂片は羽軸に向けて2/3くらい切れ込み、全縁で縁に毛が残る。
     胞子葉は栄養葉より短く、栄養葉より先に出てる。羽片は羽軸に接してつき、長さ2〜4cm、幅約1.5cm。裂片は羽軸近くまで切れ込み、胞子嚢が全面を覆う。胞子が飛散後、赤褐色となり、夏までには枯れる。

  • 分布・生育地 :
     北海道〜九州(屋久島まで) (国外:朝鮮、中国、台湾、インドシナ〜インド、ロシア(極東) 、北米〜南米
     山地湿原

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体 2008年7月20日  長野県志賀高原
     (上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中・胞子葉(嚢)    同  上
     下・新葉の芽出 2016年5月8日  静岡県富士宮市

  • 撮影記 :
     写真では栄養葉が叢生しているように見えるが、実際には葉が相接して出るためそう見えるようだ。
     この写真は志賀高原の湿地で撮影したが、山鳥が住むようなところに生えるということで和名がつけられており、山地の湿原などに多く、尾瀬などでもよく見かける。
     このシダに限らず、ゼンマイ科の仲間は葉が2形または部分的に2形となり、胞子葉は遠くからでもはっきり判るわかりやすいシダだ。

  • その他のシダ
胞子葉(嚢)

新葉の芽出