ゼンマイ(薇・銭巻)

Osmunda japonica


ゼンマイ1

  • 科名・属名 : ゼンマイ科 ゼンマイ属

  • 特徴 :
     草丈35〜70cmの夏緑性シダ。
     根茎は太く、斜上〜直立し、葉を数個叢生する。
     若葉はゼンマイ状に巻き、淡赤褐色の綿毛に包まれるが、成葉には毛は残らない。
     葉は2形、栄養葉は2回羽状複生、三角状卵形〜三角状広卵形、長さ(32-)36〜46(-59)cm、幅(23-)26〜32(-36)cm。最下羽片が最も大きく、長さ20〜30cm、小羽片はほぼ開出し、羽軸に対し65〜80度の角度でつき、長楕円形〜広披針形、長さ5〜10cm、幅1〜2.5cm。先は鋭頭、基部は左右不相称の切形〜円いくさび形、辺縁には微鋸歯がある。
     胞子葉は2回羽状複生、披針形で長さ(10-)16〜25(-35)cm、幅(3.2-)5.7〜7.8(-9.3)cm。小羽片は線形〜長楕円状披針形、長さ4〜8cm、幅1.5〜3cm。主脈の両側に胞子嚢を密につけ、胞子を放出するとすぐに枯れる。

  • 分布・生育地 :
     北海道〜沖縄(久米島以北) (国外:ロシア(サハリン)、朝鮮、中国、台湾、インドシナ、南アジア
     林縁、林下

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2008年4月25日  鹿児島県屋久島
     中・全体2 2015年5月6日  東京都八王子市
     (上、中は拡大写真あり、写真をクリック)
     左下・胞子嚢葉    同  上
     右下・栄養葉の成葉 2007年7月7日  東京都高尾山

  • 撮影記 :
     山菜といえば人によっていろいろな植物があげられるが、シダ植物の中ではワラビ、ゼンマイ、コゴミ(クサソテツ)はまず間違いなくリストアップされるだろう。
     しかし、山菜の時の姿は承知していても、成葉になった時の姿はご存じない方が多いかもしれない。
     山菜として採取する若葉の時は、名の通りゼンマイのように巻き、赤褐色の綿毛が密生しているが、成葉では全く異なる姿となる。
     それにしてもどれだけ採取されても成葉を良く見かけるので、相当数の個体があるのだろう。

  • 栄養葉

    その他のシダ
ゼンマイ2

胞子葉