イケマ(いけま)

Cynanchum caudatum


イケマ1

  • 科名・属名 : ガガイモ科 カモメヅル属
     注.APG分類ではキョウチクトウ科(APOCYNACEAE)、イケマ属(Cynanchum)、学名(C. caudatum var. caudatum)

  • 特徴 :
     つる性の多年草。
     根茎は太く、上部で数本が水平または斜め下向きに枝分かれする。
     茎は長く伸び、初めは微毛があり、切ると白い乳液が出る。
     葉は対生、葉身は卵形、長さ5〜15cm、幅4〜10cm。先は尾状にとがり、基部は深い心形、縁は全縁。質は膜質で両面無毛。葉柄は3〜6cm。
     花は葉腋からでる長さ6〜12cmの長い花柄の先に散状花序となって多数つける。花冠は淡黄緑色、車状で5裂して先は反り返り、裂片は反曲し、長さ4〜5mm、内側に毛がある。花弁のように見える淡黄色〜白色の副花冠は5裂し、さらに2裂する。花柄は細く、長さ1〜2cm。
     果実(袋果)は普通単生し、細い紡錘形で長さ8〜11cm、幅約1cm。種子は扁平で翼があり、長さ7〜8mm。

  • 分布・生育地 :
     北海道〜九州 (国外:日本固有) 
     山地の林縁や草地

  • 花期 :   7〜8月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 1991年7月14日  北海道札幌市
     中上・全体2 2007年8月17日  山梨県南アルプス市
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中下・花序1    同  上
     左下・花序2 2018年7月18日  長野県栂池高原
     右下・葉    同  上

  • 撮影記 :
     和名の「いけま」の語源はアイヌ語のikema(神の足)に由来しているそうで、上の写真も北海道で撮影した。
     コイケマによく似ているものの、花柄が葉柄よりはるかに長く、同長かやや短いイケマと異なる。花冠裂片も反り返る。
     アルカロイドを含み有毒であるが、根を乾かしたものを「牛皮消根」といい、煎じて利尿薬として使われることがあるようだ。

  • 葉

     同じ科の仲間の花
イケマ2

花序1

花序2