イヨカズラ(伊予蔓)

Cynanchum japonicum


イヨカズラ1


  • 科名・属名 : ガガイモ科 カモメヅル属
     注.APG分類ではキョウチクトウ科(APOCYNACEAE)、カモメヅル属(Vincetoxicum)、学名(V. japonicum)

  • 特徴 :
     草丈30〜80cmの多年草。
     茎は直立し、先端が伸びてつる状になる場合もあり、わずかに伏毛がある。
     葉は対生、葉身は楕円形、長さ3〜10cm、幅3〜7cm。先は円〜鈍頭で微突端、基部は円形、縁は全縁。質はやや厚く、両面の脈上に短毛がある。葉柄は2〜10cm。
     花は上部の葉腋から1〜5cmの花序を密に出し、やや多数つき、径1〜1.5cm。花冠は淡黄白色、5深裂し、副花冠は倒卵円形で雄しべと同長。花柄は長さ3〜8mm。
     果実(袋果)は広披針形、長さ4〜6cm、幅1〜1.5cm。種子は広卵形で狭い翼があり、長さ8〜10mm、先端に長い毛がある。
     花の色が暗紫色のものがあり、
     ●クロバナイヨカズラ(f. puncticulatum)(左下の写真)という。

  • 分布・生育地 :
     本州〜九州、薩南諸島、小笠原諸島 (国外:朝鮮)
     海岸近くの乾いた草地、林縁

  • 花期 :   5〜7月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 1996年6月29日  静岡県伊豆半島
     中上・全体2 2012年5月30日  神奈川県三浦半島
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中中・花    同  上
     中下・果実 2019年7月1日  東京都伊豆諸島
     左下・クロバナ 2013年6月17日  鹿児島県甑島
     (左下は拡大写真あり、写真をクリック)
     右下・葉 2019年7月1日  東京都伊豆諸島

  • 撮影記 :
     伊豆の海岸にイズアサツキを探しに出かけた。
     きっとこの花も見つかるだろうと期待していたが、予想通り海を見下ろす海岸の草むらでこの花に出会った。
     海岸に生える植物らしく、厚くて照りがある葉が印象的だった。
     伊豆半島で出会った株は直立していたが、三浦半島で出会った株は先端がつる状に伸び、カモメヅル属の特徴をよく示す株だった。
     また、左下の写真のように花が暗紫色になるものがあり、クロバナイヨカズラと呼ばれるが、西日本の島嶼にはこのタイプが多く、この写真を撮影した甑島では、このタイプがほとんどだった。



  • 同じ科の仲間の花
イヨカズラ2





クロバナイヨカズラ