ヤマワキオゴケ(山脇小苔?)

Cynanchum yamanakae


ヤマワキオゴケ1


  • 科名・属名 : ガガイモ科 カモメヅル属
     注.APGV・W分類では、キョウチクトウ科(APOCYNACEAE)、カモメヅル属(Vincetoxicum) 、学名(V. yamanakae)

  • 特徴 :
     草丈1〜1.5mになる多年草。
     茎の先はつる状となって伸び、他のものに絡みつく。
     葉は対生して4〜5対あり、葉身は長楕円形で、長さ10〜20cm、幅3〜5(-11)cm。両端は尖り、基部はくさび形。質は洋紙質でやや厚く、脈上だけに微毛がある。葉柄は長さ1〜2cm。上部の2〜3対の葉は小さい。
     花は大きな花序となって散開して多数つく。小花柄は細く、長さ5〜6mm、無毛。花冠は車状で5裂し、暗紫色で径15〜16mm、裂片は無毛。副花冠は長さ1.5mmで雄しべの1/2の長さ。
     果実(袋果)は披針形、長さ6〜7cm、幅0.8〜1cm。
     花の白いものがあり、
     ●シロバナヤマワキオゴケ(仮称)(左下の写真)という。
     なお、APG分類では独立種としているが、APGV・W分類では、クサナギオゴケ(V. katoi)と同一種としている。

  • 分布・生育地 :
     四国(高知・徳島県) (国外:日本固有)
     山地の半日陰の草地

  • 花期 :  5〜6月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2012年6月26日  高知県
     中上・全体2、以下全て    同  上
     (上、中上、左下(シロバナ)は拡大写真あり、写真をクリック)

  • 撮影記 :
     スギ林の林下、沢に沿って奥のほうまで比較的珍しいとされるこの花が群生していた。
     案内してくれた方が「高知県で一番の群落、世界で高知県にしかない花だからここは世界一の群落」と自慢されていたがその通りだと思った。
     前年、別の場所で株を見たが花が終わっていて、今年リベンジに訪れたのだ。
     梅雨時、天気予報も雨にもかかわらず、この花を撮影している時は雨も止んで明るく絶好の撮影条件だった。
     群落の中には珍しいシロバナヤマワキオゴケ(仮称)(左下の写真)も混じり、じっくりと時間を掛けて撮影した。
     大きい株では茎の長さが1mを越え、先がつる状になって絡みつくため、見た目にはだらしなく咲いているようで撮り難い花だった。
     よく似たクサナギオゴケよりも花冠が大きく(クサナギは径6〜9mm)で紫色も濃いとされているが、高知県にはこの花しかないため簡単に比較はできないが、この花だけ見ていると違いはそう感じられなかった。

  • 葉

    同じ科の仲間の花
ヤマワキオゴケ2

花

シロバナヤマワキオゴケ(仮称)