エナシシソクサ(柄無紫蘇草)

Limnophila fragrans


エナシシソクサ1


  • 科名・属名 : ゴマノハグサ科 シソクサ属
     注.APG分類では、オオバコ科(PLANTAGINACEAE)、属名以下変わらず

  • 特徴 :
     草丈20〜40cmの多年草。
     茎は匍匐して斜上し、下部の節から根を出す。
    葉は対生、葉身は卵状長楕円形〜長楕円形、長さ1〜3cm、幅0.3〜1.2cm。先は鈍頭、基部は鈍形〜円形でやや茎を抱き、縁に小さな鋸歯がある。両面とも無毛、裏面は中脈と側脈がやや隆起し、多くの明腺点がある。
     花は葉腋に単生し、無柄。小苞は線形、長さ1〜1.5mm。花冠は白色または帯紫紅色で筒状、長さ約9mm、外面は無毛、内面は軟毛がある。花冠の先は唇形になり、上唇は円形で浅く2裂し、長さ約2.5mm、下唇は深く3裂し、長さ約2mm。雄しべは4個、うち下側の2個は長い。花柱は細長く、先は2つに分かれる。萼は鐘形、長さ4〜5mm、上部は5裂し、裂片は三角状狭卵形で鋭尖頭、長さ約2mm。
     果実(刮ハ)は卵円形で萼に包まれ、長さ約3mm、萼は宿存し、5脈がある。種子は長方形、黒色で、長さ約0.4mm。
     花が葉腋に直接つき、無柄であることがよく似たシソクサとの違いである。

  • 分布・生育地 :
     沖縄(西表、石垣島) (国外:フィリピン、インドネシア、ミクロシア、ポリネシア、ニューギニア、オーストラリア(北部)、台湾(帰化))
     水田や湿地

  • 花期 :  6〜7(〜12)月

  • 撮影月日・場所 :
    上・全体1 2004年12月12日  沖縄県西表島
    中上・全体2 2010年10月17日    同  上
    (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
    中下・花 2004年7月11日    同  上
    左下・果実(刮ハ) 2010年10月17日    同  上
    右下・葉    同  上

  • 撮影記 :
     沖縄(西表・石垣島)だけに分布しシソクサによく似ていた花で、花に柄がないのが特徴である。
     西表島のごく狭い地域の水田や堀などの日当たりのいい湿った場所に生えているものの、この花を知っていてその気になって探さなければ見逃してしまうようなありふれた小さな草である。
     図鑑では花期は6〜7月と記されているが、12月頃まで花が見られることが多い。

  • 葉

    同じ科の仲間の花
エナシシソクサ2

花

果実(刮ハ)