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- 科名・属名 : ゴマノハグサ科 クワガタソウ属
注.APGV分類ではオオバコ科(PLANTAGINACEAE)、学名(V. polita)
- 特徴 :
草丈10〜25cmの2年草。
茎はまばらに分枝して地を横に広がり、伏した軟毛が密生する。
葉は茎の下部では対生、上部では互生、葉身は卵円形、長さ、幅とも4〜11mm。先は鈍く、縁には2〜3対の先の鈍い鋸歯がある。両面とも毛は疎らでほとんど無毛。葉柄は短い。
花は茎の上部の葉腋の先に1個つく。花柄は長さ3〜7mm、曲がった長毛が生え、基部の葉と同長。花冠は皿形で広く開いて4裂し、淡紅色で紅紫色の条があり、径2〜4mm。
果実(刮ハ)は扁球形で先はややへこみ、中央が括れ、上部の両端は円く、長さ2.5〜3mm、幅4〜5mm。種子は舟形、背面にしわがあり、長さ約1.5mm、幅約1mm。
- 分布・生育地 :
本州〜沖縄(注.改訂新版「日本の野生植物5」(平凡社刊)では、ヨーロッパ原産で、国内分布は帰化とされている) (国外:帰化とした場合、原産はヨーロッパで、北半球の温帯〜暖帯に広く帰化) 畑や道端、石垣、草地
- 花期 : 3〜4月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 1998年4月5日 山梨県甲府市 中上・全体2 1996年4月20日 同 上 (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック) 中中・花 1998年4月5日 同 上 中下・蕾 2021年2月13日 大分県速見郡 左下・果実 1996年4月20日 山梨県甲府市 右下・葉 2021年2月13日 大分県速見郡
- 撮影記 :
イヌノフグリの名のつく花では唯一自生種とされているが、改訂新版「日本の野生植物5」(平凡社刊)では、ヨーロッパ原産と推測され、日本では帰化の扱いという考え方をとっている。
ただ、その後帰化したオオイヌノフグリやタチイヌノフグリに追われ、滅多に見ることのない花になり、絶滅危惧U類に指定されている(帰化種とするなら絶滅種の指定はおかしいが)。
山里の石垣や畑の縁には残っているはずと探して、やっと甲府の郊外で見つけた。
オオイヌノフグリに比べると、花も小さく、色も薄い赤紫色を帯びている。
和名の由来となったのは果実の形で、「犬の陰嚢」という漢字で何を指しているか分かるだろう。
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