クチバシグサ(嘴草)

Lindernia ruellioides


クチバシグサ1

  • 科名・属名 : ゴマノハグサ科 アゼナ属
     注.APG分類では、アゼナ科(LINDERNIACEAE)アゼナ属

  • 特徴 :
     草丈2〜50cmの多年草。
     茎は匍匐して分枝し、節から根を出し、四角形で無毛。
     葉は対生、葉身は楕円形〜楕円状円形で、長さ1.5〜3cm、幅1〜1.5cm。先は鈍頭または円頭、基部は切形、縁は鋭い鋸歯縁で、鋸歯の先は鋭尖頭。両面に短く粗い毛を散生する。葉柄は長さ5〜10mm、微細毛がある。
     花は茎頂に2〜7cmの総状花序となり、対生する花を疎らにつける。花冠は唇形、淡紫色〜淡紅紫色、長さ12〜14mm。上唇は楕円形で円頭、長さ3〜4mm、下唇は長さ約3mm、深く3裂する。苞は線状披針形、長さ2〜4mm。花柄は花時は長さ3〜5mm、果時は長さ5〜12mm。萼は鐘形、長さ7〜9mm、5深裂する。
     果実(刮ハ)は狭円筒形で、長さ1.5〜2cm、径1.5〜2mm、萼から長く抽出する。

  • 分布・生育地 :
     九州(徳之島以南)〜沖縄  (国外:台湾、中国(南部)、東南アジア、ニューギニア、インド)
     低地の湿地

  • 花期 :   3〜9月(〜12月)

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2017年11月6日  沖縄県国頭郡
     中上・全体2 2018年11月2日  沖縄県西表島
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中下・花 2017年11月6日  沖縄県国頭郡
     左下・果実 2018年11月2日  沖縄県西表島
     右下・葉 2017年11月6日  沖縄県国頭郡

  • 撮影記 :
     沖縄島やんばる(山原)の登山道、水溜まりの縁などに咲いているのをよく見かける。
     初めこの花はスズメノトウガラシモドキと聞き、それなら西表島などでよく出会った花だと撮影しなかった。
     最近、八重山には両方見られるが、沖縄島で見られるのは本種と聞かされ、改めて図鑑を確認した。
     図鑑には、本種は匍枝を出すこと、葉は円みの強い楕円形で無毛、鋸歯は鋭く尖るが芒状にならない等の違いがあることが記されていた。
     この花の花期は3〜9月としているが、秋〜冬の時期でも花は見られ、この写真も全て11月に撮影したものを使ったが、花は盛りだった。

  • 葉

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クチバシグサ2

花

果実