ミヤマコゴメグサ(深山小米草)

Euphrasia insignis


ミヤマコゴメグサ1


  • 科名・属名 : ゴマノハグサ科 コゴメグサ属
    注.APG分類ではハマウツボ科(OROBANCHACEAE)、学名(E. insignis subsp. insignis var. insignis)

  • 特徴 :
     草丈5〜20cmの半寄生の1年草。
     茎は直立して単一かやや疎らに分枝し、下向きの白く曲がった毛が生える。
     葉は対生、下部の葉は小さく中部の葉が最も大きく、葉身は倒卵形〜へら形、長さ5〜10mm、幅4〜6mm。先は鈍く、基部は急に細くなってくさび形、縁は上半分に先の鈍い鋸歯があり、両面とも無毛。葉柄は無い。
     花は茎の上部に花穂を作り、上部の葉腋ごとに1花つける。苞は葉状で小さい。花冠は唇形、白色で紫色の筋があり、下唇の内側に黄斑がある。上唇は兜形で先は2裂し、長さ8〜9mm、裂片は反り返り、下唇は開いて3裂し、上唇より大きくて幅が広く2倍長。裂片の先は浅くへこむ。雄しべは4個で上唇の中にあり、下側の2個が長い。花柱は細長く、先は膨らむ。萼は広鐘形、長さ3〜4mm、幅約2.5mm、半ばまで4裂し、裂片は披針形〜三角状披針形で先は尖る。
     果実(刮ハ)は倒卵形、長さ約5mm、幅2.5〜3mm、果実と同長〜2/3の長さまで萼に包まれ、3〜5個の種子が入る。種子は灰白色、長楕円形。

  • 分布・生育地 :
     本州(東北〜近畿地方の日本海側) (国外:日本固有)
     亜高山帯〜高山帯の乾いた草地、礫地

  • 花期 :  8〜9月

  • 撮影月日・場所 :
    上・全体1 1996年9月9日  長野県白馬岳
    中上・全体2 2008年9月6日    同  上
    (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
    中下・花序    同  上
    左下・花 1983年8月7日    同  上
    右下・葉 2008年9月6日    同  上

  • 撮影記 :
     北アルプスで見かけるコゴメグサは、ほとんどが本種といって間違いないだろう。
     白馬岳にはトガクシコゴメグサも知られているものの、トガクシは葉の鋸歯がかなり尖るので、あまり尖らない本種と見分けられる。
     礫地や草地でも他に大きい草のないところが好みのようで、そんな場所で多くの花をつけて存在を主張している。

  • 葉

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ミヤマコゴメグサ2

花序

花