オオアブノメ(大虻の目)

Gratiola japonica


オオアブノメ1


  • 科名・属名 : ゴマノハグサ科 オオアブノメ属
     注.APG分類では、オオバコ科(PLANTAGINACEAE)、属名以下学名変わらず

  • 特徴 :
     草丈10〜20cmの1年草。
     茎は軟らかくてやや太い。
     葉は対生、葉身は狭卵状長楕円形〜披針状長楕円形、長さ1〜3cm、幅2.5〜7mm。先は尖り、縁に鋸歯はない。質はやや肉質で無毛。葉柄はない。
     花は葉腋に白い花を1花つける。花柄はない。花冠は筒形で先はやや唇形となり、長さ4〜7mm。上唇は円形でほとんど裂けず、下唇は3裂する。多くが閉鎖花で花冠が開くものは少ない。雄しべは2個。花柱は短く、先は上下に扇状の2片に分かれる。萼は5裂し、裂片は狭卵形。
     果実(刮ハ)は球形、長さ3〜4mm。

  • 分布・生育地 :
     本州(岩手県以南)、九州(北海道に国内帰化) (国外:朝鮮、中国、ウスリー)
     湿地、水田

  • 花期 :  5〜6月

  • 撮影月日・場所 :
    上・全体1 2000年5月27日  東京都東村山市
    中上・全体2    同  上
    (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
    中中・花1 2004年5月9日  栃木県渡良瀬遊水地
    中下・花2 2000年5月27日  東京都東村山市
    左下・果実(刮ハ) 1999年6月13日    同  上
    右下・葉 2000年5月27日    同  上

  • 撮影記 :
     湿地や水田に生えるが、開発や農薬の影響などで少なくなって種の一つで、絶滅危惧種U類(VU)に指定されている。
     写真は湿地や水田とは縁のなさそうな東京都のある公園の湿地で撮影した。公園整備で雑草を抜き取っているため、いつ消えてしまうか心配である(20数年後訪れた時は全く見られなっていた)。
     開花している写真を載せたが、普通は花冠が開かない閉鎖花が多い。
     アブノメに似ていて大きいから付けられた和名であるが、属も違い草丈は本種の方が小さい。ただ、虻に例えられた実は写真を見てもわかるようにアブノメより大きい。

  • 葉

    同じ科の仲間の花
オオアブノメ2

花1

花2

果実(刮ハ)