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- 科名・属名 : ゴマノハグサ科 アゼナ属
注.APG分類では、アゼナ科(LINDERNIACEAE)、スズメノトウガラシ属(Bonnaya)、学名(B. ciliata)
- 特徴 :
草丈10〜20cmの1年草。
茎は分枝して広がり、直立または匍匐状して上部は斜上し、節から発根する。
葉は対生、葉身は長楕円形〜狭長卵状長楕円形、長さ1〜5cm、幅0.5〜1.5cm。先は鈍頭または鋭頭、基部は茎を抱き、縁には細かい鋸歯があり、鋸歯の先は芒状となり、両面とも無毛。葉柄は無いかほとんど無柄。
花は茎頂に総状花序となって2〜4対つく。苞は狭卵形で、花柄の半分の長さ。花冠は唇形で淡紫色〜淡紅紫色、長さ約7mm。花筒は長さ約4.5mm、上唇は卵形で円頭、2裂し、下唇は上唇とほぼ同長で深く3裂し、中央裂片はやや大きい。雄しべは2個、仮雄しべは下唇の基部につく。萼は基部まで5深裂し、裂片は線状披針形で先は尖る。
果実(刮ハ)は円柱形で鋭尖頭、長さお。8〜1.5cm、幅約2mm、萼の約3倍の長さ。
- 分布・生育地 :
沖縄 (国外:中国、台湾、フィリピン、東南アジア、インド、ニューギニア、オーストラリア(北部) やや湿った場所
- 花期 : 8〜11月?
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2004年10月2日 沖縄県西表島 中・全体2 2005年11月7日 同 上 (上、中は拡大写真あり、写真をクリック) 左下・花 2004年10月2日 同 上 右下・葉 同 上
- 撮影記 :
西表島に出かけた際、ある沢沿いの湿地で同行した花の大先輩からこの花を教えられた。
花はスズメノトウガラシそっくりなものの、葉が丸く、鋸歯も細かくある点などで明らかに違った。
帰ってから同定の基本にしている平凡社の「日本の野生植物」を調べてもこの花の記載はない。手持ちの本を当たってやっと「琉球植物誌」に記載を見つけた、沖縄に分布するらしい。
(注.2017年に出された、改訂新版「日本の野生植物5」(平凡社刊)では記載がある)
ただ、徳之島以南に分布するクチバシグサと非常によく似ていて、違いは本種の葉柄が無いかほとんど無柄ということらしい。
当時は十分観察できたいなかったので、写真を見て判断したが、全てクチバシグサではないかという見方もあり、今度現地で見つけたら葉の基部をしっかり確認したい。

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