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- 科名・属名 : ゴマノハグサ科 クチナシグサ属
注.APG分類ではハマウツボ科、学名(OROBANCHACEAE)、属名以下学名変わらず
- 特徴 :
草丈15〜25cmの半寄生の2年草。
茎は斜上し、節間は短く、白い綿毛を密生する。
葉は対生、茎の上部の葉の葉身は線状長楕円形〜倒披針形、長さ0.5〜2.5cm、幅1.5〜4mm。先は尖り、縁に鋸歯はなく、白い綿毛を密生する。葉柄はない。
花は葉腋ごとに1個つく。花柄は花時で3〜5mm。花冠は長い筒形で先は唇形になり、白色で淡紅色を帯び、長さ2.5cmで萼の約2倍。上唇はやや兜状で2裂して裂片は開出し、下唇は3裂し、内面の基部に2本の隆起がある。雄しべは4個、花冠内にあり、下側2個はやや長い。花柱は細長く、先は少し曲がって柱頭になる。萼は筒状で4深裂し、長さ1.3〜1.7cm、裂片は線形で尖り、密に腺毛が生える。
果実(刮ハ)は卵形で尖り、長さ7mm、胞背裂開し、多数の種子がある。
- 分布・生育地 :
九州(熊本県) (国外:中国(中南部)) やや乾いた林下、林縁
- 花期 : 4〜5月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2008年4月27日 熊本県天草島 中・全体2、以下全て 同 上 (上、中は拡大写真あり、写真をクリック)
- 撮影記 :
この時期ならまだ花は咲いているだろうと、前日の夕方屋久島を出発し、飛行機・バス・電車を乗り継いで熊本県へ。翌日、朝一のバスで天草島へ向かう。鏡のような海面に天草五橋が映え、観光気分だ。
バス停から地図を頼りに迷いもせず現地へたどりつく。花探索モードへ切り替える間もなく、簡単にこの花が見つかった。
石垣の間や小路の法面に点々と花が見られる。クチナシグサに比べると2回りくらい大きな花だ。日本ではここだけに生育が知られている。
そのため、絶滅危惧TB類(EN)とされてはいるが、現地で見る限り自生とするより古い時代に中国から持ちこまれた帰化の可能性が高ように思われる。
ただ、どちらにしても日本の他の地域では見られず、土壌や気象などこの花の生育には微妙な条件があるのだろうか。

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