ヤマクワガタ(山鍬形)

Veronica japonensis


ヤマクワガタ1


  • 科名・属名 : ゴマノハグサ科 クワガタソウ属
     注.APG分類ではオオバコ科(PLANTAGINACEAE)、属名以下変わらず

  • 特徴 :
     草丈10〜20cmの多年草。
     茎は分枝して地に這い、根を下ろして広がり、開出する軟毛がやや密に生える。
     葉は対生、葉身は広卵形で小さく、長さ1.2〜2.5cm、幅0.9〜2cm。先はやや尖り、基部は切形状の円形、3〜8対の先の鈍い鋸歯がある。葉柄は長さ2〜10mm、軟毛が生える。
     花は上部の葉腋から花序を出し、疎らに3〜8個の花をつける。花序は長く、果期には葉の1.5〜2倍の長さになる。花柄は長さ2〜3mm、軟毛がやや密に生える。花冠は淡紅白色、広く開いた皿形で、径約8mm。萼裂片は狭卵形で先が尖る。
     果実(刮ハ)は菱形状の扇形、基部は広いくさび形、先は少し凹み、両側はやや尖り、長さ3〜4mm、幅8〜10mm。種子は板状の楕円形、長さ約1mm。

  • 分布・生育地 :
     本州(関東地方北部〜中部地方中部) (国外:日本固有)
     亜高山帯の針葉樹林やブナ林の林下

  • 花期 :   5〜6月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2004年6月13日  長野県上高地
     中・全体2  1996年6月1日 長野県南佐久郡
     (上、中は拡大写真あり、写真をクリック)
     中下・花序 2004年6月13日  長野県上高地
     左下・花 2023年9月14日  山梨県南都留郡
     左下・葉    同  上

  • 撮影記 :
     本州中部の深山に分布し、よく似たクワガタソウに比べると、全体に小さく、葉の鋸歯も山が低く(切れ込みが小さい)、茎に開出毛(クワガタソウは曲がった毛)が密に生えることで区別できる。
     写真でも少し見にくいかもしれないが、茎に開出毛が密生している様子がわかる。
     クワガタソウに比べると分布域は限られ、見る機会は少ない。

  • 葉

    同じ科の仲間の花
ヤマクワガタ2

花序

花