タンナサワフタギ(耽羅沢蓋木)

Symplocos coreana


タンナサワフタギ1

  • 科名・属名 : ハイノキ科 ハイノキ属

  • 特徴 :
     高さ3〜5mの落葉低木。
     葉は互生し、葉身は広倒卵形〜倒卵形、長さ4〜9cm、幅3〜5cm。先は急に尾状に尖り、基部は広いくさび形。表面は光沢がなく、縁には先が鋭く尖った粗い鋸歯があり、裏面は中肋沿いに白い毛がある。葉柄は長さ3〜7mm。
     花は側枝の先に長さ4〜10cmの円錐花序となり、白色で径6〜7mm、花冠は5深裂して平開する。
     果実(核果)は歪んだ卵形で長さ6〜7mm、藍黒色に熟す。

  • 分布・生育地 :
     本州(関東地方以西)〜九州 (国外:朝鮮(済州島))
     山地の林内、林縁

  • 花期 :   6月

  • 撮影月日・場所 :
     2016年5月29日  広島県広島市
     中   同  上
     (上、中は拡大写真あり、写真をクリック)
     下左・花    同  上
     下右・葉 2015年8月30日  広島県神石郡

  • 撮影記 :
     梅雨入り少し前、山の緑も色濃くなった頃、緑の中に白い花を一杯つけたこの樹が花を咲かせる。
     よく似たサワフタギも全国的分布し、花期も同じ頃なので間違いやすいが、この花の葉はやや幅広く、鋸歯が粗いことに加え、葉の先が尾状に長く尖ることで見分けられる。
     この花を撮影した広島市北部の山地、少し雨が降る中、そこだけ白く浮かび上がるようにこの花が満開状態だった。
     果実もサワフタギが藍色に熟すのに対し、藍黒色になるので果実の頃でも区別できる。
     和名のタンナは初め丹那トンネルのある伊豆の地名かと思ったが、朝鮮・済州島の耽羅という地名とのことだった。

  • 葉

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タンナサワフタギ2

花