ハナシノブ(花忍)Polemonium kiushianum |
|
草丈70〜100cmの多年草。 葉は対生し、奇数羽状複葉で、裂片は広披針形で長さ1.5〜4cm、幅0.3〜1.5cm。先は尖る。 花は茎頂に円錐花序につき、花冠は青紫色で直径1〜1.5cm。花冠は5中裂して裂片の先は尖り、縁に短毛がある。 九州 山地の草原 1995年6月24日 熊本県阿蘇 上は拡大写真あり(写真をクリック) アップ 同 上 花忍の名前がいい。和名の由来は葉の形をシダのシノブに例えたものらしいが、淡い青紫色の花は何となく忍ぶ感じがあって好きな花だ。 九州中部の草原に生えるが、草原の手入れがおこなわれなくなったため、絶滅に瀕している。 なんとかこの花の自生の姿を目にしたいものだと、梅雨の熊本に飛んだ。 阿蘇高森の野草園で咲いている姿を目にし、尋ねてみたが自生はまず見られないとのこと。 手入れされた草原なら見つかるかもと、目ぼしい場所を何ヶ所か回ると、ある草原で淡い青紫色の花が目に入った。 草を掻き分け近づいて見ると今を盛りにこの花が咲いていた。あこがれの花との出会いだった。 人家から遠く離れたこの草原には、マツモトセンノウやアソタカラコウも見られ、秘密の花園だった。 |