ハナシノブ(花忍)

Polemonium kiushianum


ハナシノブ1

  • 科名・属名
  • : ハナシノブ科 ハナシノブ属

  • 特徴

  •  草丈70〜100cmの多年草。
     葉は対生し、奇数羽状複葉で、裂片は広披針形で長さ1.5〜4cm、幅0.3〜1.5cm。先は尖る。
     花は茎頂に円錐花序につき、花冠は青紫色で直径1〜1.5cm。花冠は5中裂して裂片の先は尖り、縁に短毛がある。

  • 分布・生育地

  •  九州  山地の草原

  • 花期
  • : 6〜8月

  • 撮影月日・場所

  •  1995年6月24日 熊本県阿蘇
     上は拡大写真あり(写真をクリック)
     アップ  同 上

  • 撮影記

  •  花忍の名前がいい。和名の由来は葉の形をシダのシノブに例えたものらしいが、淡い青紫色の花は何となく忍ぶ感じがあって好きな花だ。
     九州中部の草原に生えるが、草原の手入れがおこなわれなくなったため、絶滅に瀕している。
     なんとかこの花の自生の姿を目にしたいものだと、梅雨の熊本に飛んだ。
     阿蘇高森の野草園で咲いている姿を目にし、尋ねてみたが自生はまず見られないとのこと。
     手入れされた草原なら見つかるかもと、目ぼしい場所を何ヶ所か回ると、ある草原で淡い青紫色の花が目に入った。
     草を掻き分け近づいて見ると今を盛りにこの花が咲いていた。あこがれの花との出会いだった。
     人家から遠く離れたこの草原には、マツモトセンノウやアソタカラコウも見られ、秘密の花園だった。
ハナシノブ2