ハマサジ(浜匙)

Limonium tetragonum


ハマサジ1


  • 科名・属名 : イソマツ科 イソマツ属

  • 特徴 :
     草丈20〜60cmの2年草。
     葉は根元に集まってつき、葉身は長楕円状へら形で、長さ8〜17cm、幅1.5〜3cm。先は鈍いかやや尖り、基部は次第に狭まって柄状になり、全縁。質は厚くて滑らか。
     花は葉の中心部から花茎を出し、花茎は中部以上でよく分枝し、多数の小穂からなる円錐状の花序をつくる。小穂基部の苞は狭三角形で先は鋭く、長さ約2mm。小穂は2個の小苞に包まれ、1つ小穂に完全な花と不完全な花がつく。上側の小苞は楕円形、長さ約4mm、下側の小苞は長さ1〜1.5mm。花冠は漏斗形で5深裂し、長さ約7mm、裂片は狭いさじ形、上部は黄色。雄しべは5個、花冠裂片と対生の位置で花筒につく。花柱は基部まで5裂する。萼は筒形で開かず、白色、長さ5〜6mm、膜質で5浅裂し、稜があり、稜上には白い毛がある。
     果実(痩果)は紡錘形、長さ約2.5mm、普通裂開しない。

  • 分布・生育地 :
     本州(宮城県以西の太平洋側)〜九州(奄美大島まで) (国外:朝鮮(南部))
     海岸の砂地

  • 花期 :  9〜11月

  • 撮影月日・場所 :
    上・全体1 2005年11月13日  福岡県北九州市
    中上・全体2 2014年9月14日  大分県宇佐市
    中下・全体3 2004年11月13日  福岡県北九州市
    (上、中上、中下は拡大写真あり、写真をクリック)
    左下・花    同  上
    右下・葉 2014年9月14日  大分県宇佐市

  • 撮影記 :
     潮の引いた遠浅の入り江の泥地に、この花とフクドが密に生えていた。
     根元のさじ状の葉が名前の由来で、満潮時には海水につかる入り江や河口の泥地に生え、秋も深まった頃花を咲かせる。
     訪れた時は残念ながら花のピークは過ぎていて、黄色の花弁が残っている株はわずかしかなかった。
     花弁や萼の感じはイソマツと同じ仲間の花ということを実感させる。
     この日は、他にもゲンカイイワレンゲなどの花にも出会え充実した一日となった。



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ハマサジ3