ヤマビワソウ(山枇杷草)

Rhynchotechum discolor


ヤマビワソウ

  • 科名・属名 : イワタバコ科 ヤマビワソウ属
     注.APG分類では、学名(R. discolor var. discolor)

  • 特徴 :
     草丈30〜50cmの小低木。
     茎は太くて直立し、若いときは全体に黄褐色の毛が密生するが、のちにやや無毛になる。
     葉は互生、葉身は倒披針形〜長楕円状広披針形で、長さ10〜20cm、幅2.5〜6cm。先は尖り、基部は枝のほうへ細まり、やや尖った多数の鋸歯がある。裏面には多数の小さな腺点がある。葉柄は長さ2〜7cm。
     花は葉腋に集散花序となり、まばらに多数の花をつける。花冠は白色、車状鐘形、長さ6〜7mm、裂片は楕円形〜広卵形、長さ4〜5mm、幅2.5〜3mm。苞は披針形〜線状披針形、長さ2〜10mm、萼裂片は線状披針形、長さ5〜6mm。花柄は長さ2〜10mmで細い。
     果実は液果状、卵形〜球形、径6〜7mm、で熟すと白色になる。種子は赤褐色。

  • 分布・生育地 :
     沖縄 (国外:台湾、フィリピン)
     山地の林縁

  • 花期 :   8〜10月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2004年10月1日  沖縄県石垣島
     中上・花 2006年10月10日  沖縄県西表島
     中下・果実1 2004年1月25日  沖縄県西表島
     (上、中下は拡大写真あり、写真をクリック)
     左下・果実2 2018年1月16日  沖縄県国頭郡
     右下・葉    同  上

  • 撮影記 :
     花の時期は目立たないのに、実になると急に目立つ植物は多い。
     この花も、花の時期は葉の陰で下を向いて咲くので目立たないものの、実の時期になると玉のような白い実がやけに目に付く。
     最初に八重山諸島を訪れたのは冬だった。林道や登山道脇でこの実を見つけ、名前を調べた結果この花の果実であることがわかった。
     それ以来、花を撮影したいと思っていたが、秋、和名の由来となった「ビワ」の葉の陰に隠れているように咲いているこの花にやっと出会った。
     名前のよく似たミズビワソウは属も違い、はるかに大きい低本である。

  • 葉

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花

果実1

果実2