ハヤチネコウモリ(早池峰蝙蝠)

Cacalia hastata subsp. orientalis var. hayachinensis



  • 科名・属名
  • : キク科 コウモリソウ属
     新分類での学名はParasenecio hayachinensis

  • 特徴

  •  草丈30〜70cmの多年草。
     茎はしばしば節ごとにいなずま形に曲がる。
     葉は互生し、三角状ほこ形で浅く5裂し、長さ8〜10cm、幅は長さよりやや狭い。裂片の先は鋭尖頭に伸びる。葉柄には翼があり、中部の葉は基部が茎を抱く。
     頭花は少なくまばらな円錐花序につき、全て筒状花で、花冠は淡黄色、総苞は狭い筒状。
     果実(痩果)は円柱形で、長さ4〜5mm。

  • 分布・生育地

  •  本州(岩手、青森県)  深山の湿った林下

  • 花期
  • :   8〜9月

  • 撮影月日・場所

  •  2014年8月19日  岩手県早池峰山
     中・花序、左下・花    同  上
     下右・葉    同  上

  • 撮影記

  •  朝から低いガスが立ちこめていたが、「ここ1週間で雨が降っていないのは今日だけ」と宿の方に慰められ山に向かった。
     この山は三十数年前、何度か撮影に訪れていたが、8月半ば以降は公共交通の便が悪いこともあって未訪問だった。
     ガスと強い風の中、何とか目的の花をいくつか撮影し、最後に残ったのがこの花だった。
     ところが、それまで持っていた天気が崩れ、雨が降り出した。この山は蛇紋岩で滑りやすく、過去にも転倒しカメラを壊したことを思い出した。
     雨の中一層慎重になって歩いていると、やっとお目当てのこの花に出合えた。
     コウモリソウの仲間で、中部の葉の基部が茎を抱くことが違いとされるが、この地域にはこの仲間はこの花しか知られていない。

    葉

    同じ科の仲間の花
花序

花