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- 科名・属名 : キク科 シオン属
- 特徴 :
草丈30〜85cmの多年草。
茎は岩壁から垂れ下がり、上部で多数分枝する。
根出葉は花時には枯れるが、葉身は倒披針形で長さ3〜8cm、幅0.5〜2cm。先は鈍頭、基部は次第に狭まって葉柄に移行し、上部に大きな鋸歯がある。中部の葉は線形〜線状披針形で、長さ5〜10cm、幅0.6〜1.2cm。鋭尖頭で基部は狭まり、縁にはまばらに鋸歯がある。両面ほぼ無毛で無柄。花をつけない茎にはロゼット状の根生葉がある。
頭花はそれぞれの枝先に1〜3個つき、白色で径1.5〜2cm。総苞は細長く、総苞片は4列、覆瓦状、外片は卵形、鈍頭、縁に微毛がある。枝は細く、線形で長さ6〜15mmの苞が多数つく。
果実(痩果)は線状披針形、長さ3.5mm、幅0.8mm、有毛。冠毛は汚白色、長さ約4mm。
- 分布・生育地 :
本州(和歌山県) (国外:日本固有) 川岸の崖
- 花期 : 8〜10月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2019年10月6日 和歌山県東牟婁郡 中上・全体2、以下全て 同 上 (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
- 撮影記 :
紀伊半島南部熊野川流域だけに知られる珍しいキクである。ちょうどこの時期キイジョウロウホトトギスも花期を迎える。
ただ、どちらも岩壁の高い所に咲いていることが多く(手近な所に咲いていたものは採取された?)、撮影には苦労させられる。
この花にも2、3度出会ったが、望遠レンズでやっと写せるかどうかの場所ばかりで、絵にならないものだった。
2十数年後、知り合った地元の方の案内で、訪れたことのない沢沿いの荒れた林道を行くと、沢沿いの崖の手の届く場所にこの花が満開状態で垂れ下がっていて、やっと満足のいく撮影ができた。
紀伊半島南部はこの地域しかない植物が多く知られていて、花好きなら一度ならず訪れたい地域である。
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