オイランアザミ(花魁薊)

Cirsium spinosum


オイランアザミ1

  • 科名・属名 : キク科 アザミ属

  • 特徴 :
     草丈30〜60cmの多年草。
     茎は直立し、単純または中部以上で数回分枝する。茎や葉にはクモ毛はあるが、短毛はない。  根出葉は花時も枯れず、長楕円形で長さ10〜40cm、羽状に中裂〜深裂し、裂片は6〜8対、縁には2〜5mmの太い刺がある。質は厚く、淡緑色で光沢があり、両面とも普通無毛。茎葉の基部は茎を抱く。
     頭花は枝先に集まってつき、直立〜斜上し、紅紫色で径約2cm程度。総苞は椀形〜鐘形、緑色、径10〜18mm。総苞片は10〜11列、下半部は圧着し、上半部は開出する。腺体は内片と中片にあるが痕跡的で粘らない。小花は18〜20mm、狭筒部は広筒部より長い。
     果実(痩果)は長さ5〜6mm、灰褐色。冠毛は長さ15〜18mm。

  • 分布・生育地 :
     九州(鹿児島県南部)〜喜界島 (国外:日本固有)
     海岸の砂地

  • 花期 :   7〜1月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2006年5月28日  鹿児島県屋久島
     中上・全体2 2013年6月17日  鹿児島県甑島
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中下・花 2003年12月6日  鹿児島県薩摩半島
     左下・総苞    同  上
     右下・葉 2018年9月13日  鹿児島県南さつま市

  • 撮影記 :
     12月の声を聞き、関東の山野ではほとんど花も見られなくなった頃、鹿児島県の海岸に撮影に出かけた。
     冬の季節風も吹かず穏やかな一日、海岸沿いには多くの花が見られ、特に鋭い刺を持つこの花が目に付いた。
     一見ハマアザミに似ているが、ハマアザミには茎や葉に短毛があるのに対し、この花はクモ毛はあるが短毛はなく、苞葉の刺の長さもはるかに短い。
     鹿児島県でも分布域がややずれるようで、南部の海岸に咲くこの種のアザミは、全てこの花と考えていい。

  • 葉

    同じ科の仲間の花
オイランアザミ2

花

総苞