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- 科名・属名 : キク科 シオン属
- 特徴 :
草丈10〜30cmの多年草。
茎は単一か、2〜3枝を出し、密に毛があり、走出枝を出してその先に葉をつけて増える。
根出葉はロゼット状、葉身は円形〜倒卵形で、長さ1〜2cm、幅0.5〜1.5cm。先は鈍形、基部は葉柄へくさび形に移行し、縁は1〜2の鋸歯があるか全縁。質は厚く、両面に毛がある。葉柄は長い。茎葉は少なく、小さくてさじ形、長さ4〜13mm。
頭花は径約2.5cm。舌状花は白色〜淡紫色で1列。筒状花の花冠は、長さ4.5〜5mm。総苞は半球形、長さ約6mm、総苞片は3列、外片は全て線形で少し短い。
果実(痩果)は倒披針形で、長さ3.5mm、わずかに扁平、密に毛がある。冠毛は長さ3.5〜4mm。
- 分布・生育地 :
奄美大島、徳之島、沖縄島 (国外:日本固有) 海岸の岩上、崖
- 花期 : 10〜12月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1(群落) 2007年12月8日 沖縄県沖縄島 中上・全体2(群落) 1997年10月26日 鹿児島県奄美大島 中中・全体3 同 上 (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック) 中下・花 2018年12月3日 沖縄県沖縄島 左下・総苞 同 上 右上・根出葉、茎 同 上 右下・走出茎、新株 2018年12月3日 同 上
- 撮影記 :
奄美の海岸では、潮を被りそうな海岸の岩場に点々と少数の花が見られただけで、希少種であることを実感させられた。
その後訪れた沖縄の自生地は、海岸にそそり立つ崖で、遠くから見ても白くみえるほど群落で咲いていて圧倒された。
花が終わる頃になると走出茎を伸ばし、その先に新しいロゼットを作って増えるという他の仲間にはない特徴があるので(右下の写真で、左上から右下に伸びる紫色の茎が走出茎)、環境さえ合えばどこでも群落となってもおかしくはないが。
ところがどういう訳か、沖縄でも奄美でも、この花の生育地は島の東部海岸で、西海岸には分布していない。逆に同じように海岸近くに生えるイソノギクは、西海岸でしか見られない。どんな理由かわからないが、面白いものだ。
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