タチアザミ(立薊)

Cirsium inundatum


タチアザミ1

  • 科名・属名 : キク科 アザミ属

  • 特徴 :
     草丈1〜2mの多年草。
     茎は直立して上部で分枝し、上部に褐色の多細胞毛とクモ毛がある。
     根出葉と下部の葉は花時には枯れ、中部の茎葉は披針形〜長楕円形、長さ15〜25cm、幅4〜14cm。変化が多く、あまり分裂せず全縁状〜粗い鋸歯縁ものが多いが、羽状に浅〜深裂して裂片は4〜5対となるものもある。刺は長さ2〜8mm。葉柄の基部は耳状に茎を抱く。
     頭花は枝先に2〜5個、あるいはそれ以上が散房状に密集するか塊状につき、直立〜斜上して咲く。頭花の柄は細く、長さ0.3〜3cm。花冠は淡紅紫色、長さ16〜22mm、狭頭部は広筒部より長い。総苞は椀形、緑色で長さ16〜20mm、径12〜15mm、疎らにクモ毛がある。総苞片は6〜7列、革質で斜上し、総苞外片は狭卵形で上半部が尾状に伸び、長さ16〜18mm、腺体を欠くため粘らない。
     果実(痩果)は長さ約4.5mm、暗褐色。冠毛は長さ14〜16mm。

  • 分布・生育地 :
     本州(東北〜北陸地方の日本海側) (国外:日本固有)
     山地〜亜高山の湿地、日当たりのいい流れ沿い

  • 花期 :   8〜10月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2012年9月9日  長野県戸隠高原
     中上・全体2 2009年8月29日  福島県裏磐梯
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中中・総苞1 2012年9月9日  長野県戸隠高原
     中下・総苞2 2020年9月6日    同  上
     左下・葉基部    同  上
     右上・葉1(全縁状) 2012年9月9日    同  上
     右下・葉2(羽状裂) 2020年9月6日    同  上

  • 撮影記 :
     福島県の裏磐梯の湿地でこの花を見たが距離があり、もっと近くでこの花を見たいと思い、長野県戸隠高原に出かけた。
     目的の花の花期に合わせてきたので、この花の適期には少し遅いと思っていたが、何とか咲き残っている株がいくつかあった。
     湿地性のアザミで、花は上を向いて咲き、総苞片が斜上〜直立するのが特徴である。
     尾瀬で見られるオゼヌマアザミもよく似た花を咲かせ、この花の変種になっている。
     葉は変化が多く、ほぼ全縁で縁に小さな鋸歯か刺があるだけのものが多いが、羽状に裂けるものもある。

  • 葉1(全縁状)

    葉2(羽状裂)

    同じ科の仲間の花
タチアザミ2

総苞1

総苞2

葉基部