ミヤマシャジン(深山沙参)

Adenophora nikoensis f. nipponica


ミヤマシャジン1


  • 科名・属名 : キキョウ科 ツリガネニンジン属

  • 特徴 :
     草丈10〜40cmの多年草。
     葉は互生(まれに対生)、葉身は披針形〜狭長楕円形で長さ4〜8cm、幅1.5〜2.5cm。鋸歯があり、先は鋭く尖る。
     花は総状花序となり、花冠は鐘形、紫色で長さ2〜3cm。花柱が花冠から飛び出る。萼裂片は披針形、全縁で鋸歯がない。
     APGV、W分類に基づく改訂新版「日本の野生植物5」(平凡社刊)では、母種のヒメシャジンは植生環境により変化が多く、萼の全縁を本種として区別する必要はないとしている。
     ただ、外見的には区別は難しいが種内に2倍体と6倍体があり、基準変種として(A. nikoensis var. nikoensis)の学名が付けられている。
     6倍体は南アルプスと富士山にのみ局所的に分布するとされている。

  • 分布・生育地 :
     本州(東北〜中部地方)
     亜高山帯〜高山帯の岩場や礫地

  • 花期 :  8〜9月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 1977年7月25日  岩手県早池峰山
     中上・全体2 2014年8月19日    同  上
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中下・花    同  上
     左下・萼 2023年7月26日  静岡県富士山
     右下・葉    同  上

  • 撮影記 :
     ヒメシャジンそっくりで、同じようなところに生え、品種扱いになっている。
     見分け方は、本種の萼裂片に鋸歯がないこと、花柱が花冠から飛び出すことである。
     ただ特徴欄に記したが、改訂新版「日本の野生植物5」(平凡社刊)では、本種そのものを区別していない一方、南アルプスと富士山に6倍体の基準変種が分布していることになっているので、ひょっとしたら富士山のものはそれにあたるのかもしれない。

  • 葉

    同じ科の仲間の花
ミヤマシャジン2

花

萼