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- 科名・属名 : キツネノマゴ科 イセハナビ属
- 特徴 :
草丈30〜100cmの半低木状の多年草。
根茎は短く地中を這い、多くの枝を出す。茎には稜があり、縦に走る線状の結晶体と軟毛が散生する。
葉は対生、葉身は広披針形〜長楕円形、長さ5〜13cm、幅1.3〜3.5cm。先は長く伸び、基部はしだいに狭まって葉柄につながり、縁には浅い鋸歯がある。表面は無毛で、裏面にはやや密に毛があり、不規則に走る線状の鍾乳体がある。葉柄は長さ3〜15mm。
花は茎頂か上部の葉腋に短い穂状花序となり、単性する花をつける。苞は葉と同形でより小さいか、倒披針形〜線形で先は鈍い。花冠は広い漏斗形で網目模様は不明、淡青紫色か白色、長さ約3cm。先は5裂して円く(先端のものはしばしば6裂)、長さ5〜6mm。花粉は球形で、しばしば乳頭状の突起がある。萼は不等に5裂し、先は線形で尖り、長さ11〜20mm、下側2片は深く裂け、上側3片は2/3程度まで裂け、無毛で苞とともに縦に走る鍾乳体がある。
果実(刮ハ)は線形、長さ約1.8mm、上端はなだらかに尖り、無毛。種子は扁平な広楕円形、長さ約3mm。
- 分布・生育地 :
九州(鹿児島県(喜界島・沖永良部島))、沖縄(本島・久米島) (国外:日本固有) 常緑樹林下や林縁
- 花期 : 1〜3月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2014年1月21日 沖縄県国頭郡 中上・全体2 2006年4月16日 同 上 中下・全体3 2014年1月21日 同 上 (上、中上、中下は拡大写真あり、写真をクリック) 左下・花、右下・葉 同 上
- 撮影記 :
一年中花の咲く南の島でも真冬はさすがに花も少なく、清楚な感じのするこの花の出迎えは、本土からのhanamistには何よりの歓迎だ。
沖縄島には本種とセイタカスズムシソウのよく似た2種類があって区別が難しいが、現地でみると生育地も分かれているような感じである。東村、国頭村、大宜味村のヤンバルの中核部には本種の方が多いように思える。
セイタカスズムシソウは、名のとおり草丈が高いのが特徴であるが、本種の方は葉が細長いものが多く、花色も淡く、白っぽい花が多いのも違いに数えられる。

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