セイタカスズムシソウ(背高鈴虫草)

Strobilanthes glandulifera


セイタカスズムシソウ1


  • 科名・属名 : キツネノマゴ科 イセハナビ属

  • 特徴 :
     草丈1〜2mになる半低木状の常緑多年草。
     沖縄島のものは6年に1回同調開花し、結実後枯れ、下部は木化してよく分枝し、高さ2mになる。石垣・西表島のものは不定期に開花し、開花茎はその年に枯れ、その株も数年以内に衰退する。
     花時の葉は広卵形〜菱状楕円形で、長さ2〜6cm、幅1.7〜3cm。先端や基部はやや長く尖り、波状の鋸歯がある。葉の裏面には線状の結晶体があって毛のように見えるが、両面無毛かわずかに毛がある。花のない時期の葉は楕円形で大きく、長さ10〜20cm、幅3〜8cm。
     花は枝先につく多数の花序枝の各節につく。花の直下の葉(苞)は、普通小苞より短く、楕円形で目立たない。小苞は線状披針形で長さ約1cm。花冠は筒形漏斗形で上部へ次第に膨らんで先は5裂し、淡青紫色で長さ3cm、網目模様は明瞭。雄しべは4個。萼は長さ約1cm、果実期には著しく腺毛を生じる。
     果実(刮ハ)は細長く扁平で、上部は切形。
     花の白いものがあり、
     
    シロバナセイタカスズムシソウ(仮称)(学名未定)(右下の写真)とした。
     別名 コダチスズムシソウ
    注1.「改訂新版 日本の野生植物5」(平凡社刊)では、ラン科に同名の植物があることから紛らわしいとし、コダチスズムシソウを和名として提案している。
    注2.旧版「日本の野生植物V」では、台湾に分布するアリサンアイと同一種とされていたが、「改訂新版 日本の野生植物5」(平凡社刊)では、形態はよく似ているものの生態や分布の違いから別種としている。

  • 分布・生育地 :
     沖縄(本島、石垣島、西表島) (国外:日本固有)
     常緑樹林の林縁や林下

  • 花期 :  (12〜)1〜3月

  • 撮影月日・場所 :
    上・全体1 2004年3月6日  沖縄県名護市
    中1・全体2    同  上
    中2・全体3 2009年2月21日  沖縄県西表島
    (上、中1、中2は拡大写真あり、写真をクリック)
    中3・花1 2004年3月6日  沖縄県名護市
    中4・花、以下右下除き    同  上
    右下・シロバナ 2009年2月21日  沖縄県西表島
    (右下は拡大写真あり、写真をクリック)

  • 撮影記 :
     ラン科に同じ名前の花があって混同し易いが、この花は沖縄だけに分布し、科も別の全く違う花である。
     沖縄にはよく似て草丈の低いオキナワスズムシソウという花があり、どちらもコノハチョウという天然記念物の蝶の食草として知られている。
     日本一早い花見とテレビで紹介されることも多い本部半島のカンヒザクラの花見に出かけると、沢筋でこの花が見られる。
     沖縄島では比較的よく見かけるが、石垣・西表島では見かけることは少ない。

  • 花期の葉

    シロバナセイタカスズムシソウ(仮称)

    同じ科の仲間の花
セイタカスズムシソウ2

セイタカスズムシソウ3

花1

花2

花・果実(刮ハ)