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- 科名・属名 : クサトベラ科 クサトベラ属
注.APG分類では、学名(S. taccada)
- 特徴 :
高さ1〜3mの常緑低木。
枝は疎らに分枝し、小枝は太く、径1cmにもなり、もろくて折れやすい。
葉は互生、枝先に集まってつき、葉身は倒卵状へら形〜へら形、長さ10〜15cm、幅4〜6cm。先は円頭で少し凹頭、基部は次第に狭くなって葉柄につながり、全縁か低い鋸歯縁。質は肉質で柔らかく、両面無毛。
花は葉腋に長さ3〜6cmの集散花序となり、初め白色、後に帯黄色となる花を5〜10個つける。花冠は左右相称、長さ約2cm、5深裂して裂片は下側に偏り、内側にやや縮れた絹毛がある。萼は無毛、裂片は5個、披針形で長さ約3mm、宿存性。雄しべは5個、長さ約12mm、花柱は糸状で長さ約10mm、先端部はコップ状に肥厚し、上端の縁は薄くて包膜となる。子房は長さ約5mm、基部に密腺がある。
果実(核果)は扁球形、長さ8〜10mm、熟すと光沢のある白色になる。内果皮はコルク質で硬く、海水に浮き、1何以上経っても発芽する。
葉は普通無毛で、これを狭義のテリハクサトベラ(f. taccada)といい、
葉に短毛があり、光沢のないものを、
●ケクサトベラ(f. moomomiana)(左下、右中の写真)という。
- 分布・生育地 :
九州(屋久島以南)〜沖縄、小笠原 (国外:中国(南部)、台湾、東南アジア、ポリネシア、オーストラリア、インド、熱帯アフリカ(東部)) 海岸の砂地、岩場
- 花期 : 5〜10月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2004年7月8日 沖縄県石垣島 中1・全体2 2005年6月13日 沖縄県西表島 (上、中1、左下は拡大写真あり、写真をクリック) 中2・花序 2004年7月8日 沖縄県石垣島 中3・花 2015年12月1日 沖縄県糸満市 中4・果実(未熟) 2012年2月27日 沖縄県南城市 中5・果実(熟果) 2015年12月1日 沖縄県糸満市 左下・ケクサトベラ、以下右下除き全て 同 上 右下・髄 2021年3月15日 沖縄県伊良部島
- 撮影記 :
南の島の海岸、砂浜であれ隆起珊瑚礁の岩場であれ、柔かな葉をつけたこの花をよく見かけ、時に大群落を作っている。
葉がトベラに似ていることからこの名がつけられているが、クサ(草)は葉が柔らかいことからなのか?
クサトベラというのは広義の呼び方で、葉が無毛で光沢があるのが普通であるが、狭義にはこれをテリハクサトベラといい、葉に毛のあるものをケクサトベラ(左下、右下の写真)という。
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