ヤマトオアダモ(大和あおだも)

Fraxinus longicuspis


ヤマトオアダモ1


  • 科名・属名 : モクセイ科 トネリコ属
     注.APG分類では、学名(var. longicuspis)

  • 特徴 :
     高さ15〜25mの落葉高木。
     若枝には淡褐色の縮れ毛があるが、後に脱落する。
     葉は対生し、奇数羽状複葉で5〜7小葉からなり、小葉は広披針形、長さ5〜10cm、幅2〜3cm。先は尾状に長く尖り、基部は歪んだ広いくさび形、縁には浅い教師がある。小葉柄は長さ5〜10mm。
     花は雌雄異株、葉の展開と同時に今年の新枝の先や葉腋に円錐花序をつけ、花には花弁がない。雄花には雄しべが1個で雌しべはなく、両性花は1個の雌しべと2個の雄しべからなる。雄しべの葯は紫褐色、柱頭は2裂し、透き通った白色。萼は杯形で小さく、不規則にやや深く切れ込み、果期にも宿存する。
     果実(翼果)は倒披針形で長さ3空cm、幅4〜5mm。

  • 分布・生育地 :
     本州〜九州 (国外:日本固有)
     山地、渓流沿いに多い

  • 花期 :  4〜5月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2014年5月3日  大分県別府市
     中上・全体2 2023年4月10日  大分県中津市
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中下・両性花 2014年5月3日  大分県別府市
     左下・果実 2016年6月28日    同  上
     右上・葉    同  上
     右下・若葉 2023年4月10日  大分県中津市

  • 撮影記 :
     海に面した別府市も平地は少なく、すぐ後背に1500mを超える山が聳える。
     そんな山裾の標高も900m近くにある湿地、標高が高いので平地が春盛りでも、この辺りはやっと春が訪れたばかりだ。
     そんな湿地でサクラソウなどの春の花を見て戻る途中、紫褐色の房状になった変わった花を見つけた。
     その時は名前がわからなかったが、帰って調べるとトネリコ属の花のようだ。
     若枝には白っぽい縮れた毛が密生し、トネリコにも同じような毛が生えるが、葉の形が違うこと、分布域が違うことから本種と同定した。

  • 葉

    若葉

    同じ科の仲間の花
ヤマトオアダモ2

花

果実