|
- 科名・属名 : ムラサキ科 キュウリグサ属
注.APG分類では、学名(T. radicans var. radicans)
- 特徴 :
草丈10〜20cmの多年草。
茎は根出葉の間からやや群がってつき、開出毛があり、斜上して、花後長く伸びると倒れ発根する。
葉は互生、葉身は卵形〜広卵形で、長さ2.5〜7cm、幅1〜3cm。先は鈍頭、基部は円形〜浅心形、縁は全縁。根出葉は長い柄がある。葉柄には開出毛がある。
花序は茎頂に総状につき、葉状の苞があり、花は苞腋の少し上につく。花柄は長さ0.7〜2cm。花冠は5深裂し、淡青紫色で喉部は黄色、径7〜10mm、筒部は長さ約1mm、径2〜3mm。萼は5深裂し、裂片は長さ約4mm、鋭頭で、花後少し伸び、長さ約7mmになる。
果実(分果)は4面体で、長さ約2mm、長さ約0.5mmの柄があり、背面は有毛、周囲の稜はやや翼状になる。
- 分布・生育地 :
九州(熊本・大分県) (国外:朝鮮、中国(東北部)、ウスリー、アムール、東シベリア) 山地の草原
- 花期 : 5〜6月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2006年5月12日 熊本県阿蘇 中上・全体2、以下全て 同 上 (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
- 撮影記 :
チョウセンカメバソウを撮影した後、この花の撮影に向った。
小さくて目立たない花だけに心配であったが、こちらも草原ですぐに見つかった。
チョウセンカメバソウのように固まって咲いてはいなかったが、花や葉はそっくりである。
ただ、茎や葉柄を見ると毛が立った毛が生えていて、伏毛のチョウセンカメバソウとの違いがわかる。少し離れていてもわかるくらいだ。
誰もいない草原で、じっくり時間をかけて撮影した。
この花も大陸との共通種で、日本では阿蘇の草原などだけに知らる希少種であるが、昔のように野焼きや草刈などの手入れがされなくなったため、他の草に負けてすっかり少なくなってきている。
いつまでも貴重な植物が野生のまま生き延びて欲しいが、この数年後に訪れた時は探すのに苦労し、やっと1株だけ咲いているのを見つけただけだった。
同じ科の仲間の花
|