チョウセンカメバソウ(朝鮮亀葉草)

Trigonotis radicans var. sericea


チョウセンカメバソウ1


  • 科名・属名 : ムラサキ科 キュウリグサ属

  • 特徴 :
     草丈10〜15cmの多年草。
     茎は四方に這ってのび、時には他の植物に寄りかかって斜上し、花後は倒れる。茎や葉柄には上向きの圧着した毛が密生する。
     葉は互生、葉身は卵形、長さ1.5〜4cm。先は鋭頭で、下部のものは長い柄がある。
     花は葉腋よりやや上に1〜2cmの花柄を伸ばし、1個ずつつく。花冠は淡青紫色〜白色、先は5裂し、径7〜10mm、筒部は長さ約2mm。萼は5深裂し、花後伸び、長さ2.5〜7mm、先は鋭頭。

  • 分布・生育地 :
     九州(熊本県) (国外:朝鮮、中国(東北部・北部))
     山地の草原

  • 花期 :  5〜6月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2006年5月12日  熊本県阿蘇
     中上・全体2    同  上
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中下・花序 2010年5月8日    同  上
     左下・花、右上・葉    同  上
     右下・茎 2006年5月12日    同  上

  • 撮影記 :
     花仲間の話では、かっては阿蘇の原野のあちこちに群落があったというこの花。開発や野焼きの減少などですっかり少なくなっている。
     仲間の話や最近の情報も手に入れ、GW明けの1日、阿蘇に向かった。
     外輪山は思ったより広い。牧場が延々と続き、牛が所々で草を食んでいる。
     目的の場所は比較的簡単に見つかり、この花が地面に広がって咲いていた。
     地を這って四方に広がる様子が上の写真でも見て取れる。
     この花の特徴である茎の伏毛を撮ろうと、地面に膝をつくとズボンが真っ黒になった。この辺はまだ野焼きがおこなわれているようだ。そのせいで生き残っているのだろう。
     同じく阿蘇にあるケルリソウとはよく似ているが、本種の茎は圧毛が生えているのに対し、ケルリソウは開出毛(立った毛)が生えているので区別できる。

  • 葉

    茎の毛

    同じ科の仲間の花
チョウセンカメバソウ2

花序

花