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- 科名・属名 : サクラソウ科 トチナイソウ属
- 特徴 :
草丈2〜4cmの多年草。
茎は細く、地表を這いながらよく分枝し、枝先に輪生状に葉を群生する。
葉は倒披針形〜狭倒卵形、長さ5〜12mm、幅2〜5mm。先は鈍いかやや尖り、下部は次第に狭まり、縁は全縁。質はやや厚く、表面に白色の長毛がある。
花は群生する葉の間から花茎を伸ばし、茎頂に輪生状につく苞の腋に1個ずつつき、散形状に2〜4個つく。花茎には白色の長毛がやや密生する。花冠は高杯形で広く開き、白色で、径5〜7mm。筒部は短く、先は5裂し、長さ2〜3mm。苞は狭長楕円形で先が尖り、白い軟毛が密に生える。萼は杯形、半ばまで5裂し、白い軟毛が密に生え、裂片は卵形で先は鈍い。
果実(刮ハ)は卵状球形で萼に覆われ、長さ約2.5mm。
- 分布・生育地 :
本州(早池峰山)、北海道(一部) (国外:朝鮮(北部)、千島列島、サハリン、アラスカ、カナダ(北部)) 乾いた岩地やガレ地
- 花期 : 6〜7月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 1997年6月15日 北海道崕山 中上・全体2 1986年6月13日 北海道礼文島 中下・全体3 1986年6月28日 北海道崕山 (上、中上、中下は拡大写真あり、写真をクリック) 左下・花 1997年6月15日 同 上 右下・葉 1986年6月28日 同 上
- 撮影記 :
トチナイソウ属で日本にはリュウキュウコザクラと本種の2種しか分布していない。
本種は、知られている限りでは、北海道に3ヶ所、本州に1ヶ所しか産地がない珍しい種類である。
そのうち、道内の2ヶ所で見たが、礼文島では絶滅寸前の状態だった。
しかし、崕山では岩の間やガレ地にかなりの数が生育していた。
一見すると別の株のように見えるものの、「1つの株から茎を伸ばしてその先に輪生状に葉をつける」と図鑑に書いてある通りで、写真でもそのことがわかる。
岩礫地一面に咲く群落だけでなく、岩上の隙間にも咲いており、2度とこんな光景には巡り合えないとため息が出た。
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