イヌヤマハッカ(犬山薄荷)

Isodon umbrosus


イヌヤマハッカ1

  • 科名・属名 : シソ科 ヤマハッカ属

  • 特徴 :
     草丈20〜80cmの多年草。
     茎は四角で、下向きの細毛がある。
     葉は対生し、柄があり、長楕円状披針形で長さ5〜15cm、幅1.5〜3.5cm。両端が細長く鋸歯があり、表面にまばらに毛がある。
     花は茎頂にやや総状に唇形花をつけ、花冠は青紫色で長さ8〜9mm。萼はやや唇形だが著しい唇形とならず、長さ約3mm、上唇は3裂し下唇は舟形で2浅裂、5個の萼歯は全て三角形で、裂片の先は尖る。
     果実(分果)は卵形〜楕円形で滑らか。

  • 分布・生育地 :
     本州(関東西南部〜中部地方東南部) (国外:日本固有)
     ブナ帯の林内

  • 花期 :   9〜10月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 1993年9月26日  神奈川県箱根駒ケ岳
     中上・全体2 2016年10月12日  神奈川県箱根外輪山
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中下・花序、以下全て    同  上

  • 撮影記 :
     ヤマハッカによく似た花で、ヤマハッカの萼裂片の5個が全て同長なのに対し、この花では萼がやや唇形で、5裂する萼のうち3裂する上唇より2裂する下唇の方が長いという違いがある。
     また、ヤマハッカが沖縄を除く日本全土に分布しているのに対し、この花の分布範囲は本州中部の割合に狭い地域だけである。
     この花を見かけた箱根は、以前はロープウェイがあって便利であったが、2005年秋、廃止されてすっかり不便な山になってしまった。
     萼や花などの細部が撮影できていなかったので、久し振りに箱根外輪山を訪れ、じっくり撮影した。

  • 葉

    同じ科の仲間の花
イヌヤマハッカ2

花序

花

果実(分果)