ヤンバルツルハッカ(山原蔓薄荷)

Leucas chinensis


ヤンバルツルハッカ1


  • 科名・属名 : シソ科 ヤンバルツルハッカ属
     注.APGV、W分類では、学名(L. mollissima subsp. chinensis var. chinensis)

  • 特徴 :
     草丈20〜60cmの多年草。
     茎は基部付近で分枝して散開、匍匐して斜上し、全体に下向きの白い柔毛が密生する。
     葉は対生、葉身は卵円形、長さ0.5〜3.5cm、幅0.5〜2.5cm。先は円頭〜鈍頭、基部は円形〜広いくさび形、縁に3〜5対の円い鋸歯がある。質はやや厚く、両面に白毛が密または疎らに生える。葉柄は長さ1〜5(-10)mm。
     花は中部以上の葉腋に輪散花序となり、唇形花を2〜8個つける。花冠は2唇形で白色、長さ8〜12mm。上唇はフード状、長さ3〜5mm、外面に白毛が密生し、下唇は長さ4〜6mm、3裂する。萼は筒状、長さは花時で4〜5mm、果時で6〜7mm、長短交互に10歯が並び、萼歯は長さ1〜1.5mm、刺状にならない。雄しべは4個、下側の2個が少し長い。
     果実(分果)はくさび形で先は切形、長さ約1.5mm。

  • 分布・生育地 :
     九州(吐喝喇列島口之島以南)〜沖縄 (国外:中国(南部沿海島嶼・隣接する沿海地・海南島)、台湾、フィリピン(北部)
     海岸の岩場、日当たりのいい道端、裸地

  • 花期 :   ほぼ一年中

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2004年1月25日  沖縄県西表島
     中上・全体2 2005年4月23日  沖縄県与那国島
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中下・花序 2022年4月16日  沖縄県石垣島
     左下・花 2014年9月5日  沖縄県西表島
     右下・葉    同  上

  • 撮影記 :
     ツルハッカといいながら先が立ち上がって咲いている場合が多く、中上の写真のようにいかにも蔓という感じは少ない。
     南西諸島では海岸の岩場や道端で普通に見られ、花も1年中見られる。
     「琉球弧・野山の花」(南方新社刊)は南西諸島の植物写真図鑑で、手軽に使える書籍であるが、この花をオキナワクルマバナとして間違って紹介しているため、HP上でも時々混乱が見られる。
     オキナワクルマバナの花は紅紫色である。

  • 葉

    同じ科の仲間の花
ヤンバルツルハッカ2

花序

花