ウラジロヨウラク(裏白瓔珞)

Menziesia multiflora


ウラジロヨウラク1

  • 科名・属名 : ツツジ科 ヨウラクツツジ属
     注.APG分類では、ツツジ属(Rhododendron)、学名(R. multiflorum var. multiflorum)

  • 特徴 :
     高さ0.5〜2mの落葉低木。
     葉は互生し、葉身は楕円形〜倒卵形、長さ2〜6cm、幅1.5〜3.5cm。先は短く尖り、基部は鋭形、縁は全縁で無毛か長毛がある。表面は無毛か長毛が少しあり、裏面は粉白を帯び、脈上に粗く太い毛が少しある。葉柄は長さ2〜5mm、数本の太い毛がある。
     花は枝先に3〜10個が束状に下垂し、花冠は狭鐘形、先はやや狭まって浅く5裂し、紅紫色で変化が多く、長さ1.1〜1.4mm。外面は無毛、内面に短毛を散生する。雄しべは10個、花糸の下部に軟毛が密生する。萼片は浅い皿形で5裂し、長さ1〜3mm、縁に太い腺毛が散生する。花柄は長さ1〜2.5cm、短い腺毛が散生する。
     果実(刮ハ)は球形〜卵状球形、長さ3〜4mm、熟すと5裂する。

  • 分布・生育地 :
     北海道(南部)〜本州(中部地方北部以北) (国外:日本固有)
     山地林縁、草原、高層湿原

  • 花期 :  5〜7月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2006年7月22日  山形県月山
     (上、中は拡大写真あり、写真をクリック)
     中・全体2 2005年7月9日  長野県八方尾根
     下・花    同  上

  • 撮影記 :
     夏山の花の盛期には少し早い時期、亜高山帯の岩場や草地の林縁、時に高層湿原の縁などで、小さな紅紫色の細めの鐘形の花をぶら下げているのを見かける。
     5裂する萼片が長さ1〜3mmと短いのが特徴で、萼片が5〜10mmと長いものをガクウラジロヨウラクとして変種としていたが、最近のAPG分類では個体差の範囲として同一種とされている。
     裏面が粉白を帯びるのが和名の由来であるが、青っぽい葉色と葉裏の白みの中に紅紫色の花が咲いている姿は、緑色の葉の植物が多い中で意外によく目に付く。

  • 同じ科の仲間の花
ウラジロヨウラク2

花